考えたこと2

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ギターの原料
ギターの指板(左手で押さえるところ)は、ほとんどが黒檀という木材。
ピアノの鍵盤などにも使われる。
アフリカで採れる木。
今や希少になってきたとのこと。

テイラー・ギターズという会社がアメリカにある。
カメルーンで採れる黒檀を使っているのだが、この会社がカメルーンの森林再生プロジェクトにお金を出している。
黒檀は実際に木材として利用できるまでに100年かかる。
2018年から5000本の黒檀を植樹したらしいが、それらが使えるのは22世紀だ。
それでも、黒檀を育てるために、2020年までに2万本の黒檀を植える手助けをしている。

このプロジェクトの目的は、持続可能な木材調達について、ギター業界の意識の低さを改めることらしい。
2012年にギブソン・ギターが、マダガスカルやインドから黒檀や紫檀を違法に輸入して、罰金を払わされたことがきっかけ。

今までは100年以上かけて育ってきた野生の木を伐採していたが、育てるのには100年かかるということにようやく気づいたということだ。
カメルーンで植樹している人たちは、子孫のためにやっている。

先進国が欲しい木材を、無計画に伐採していたら、どんどん森がなくなる。
育つのに100年かかる木材は、計画的に使わないといけない。
それに気づいたということだが、汚職や資金不足の問題で伐採は止まらない。
カメルーンでは、すでに四国分くらいの森が伐採でなくなっている。

テイラー・ギターズはギブソンの罰金の事例を見て、危機を感じてカメルーンの支援をすることになった。

一時、ぼくはアメリカの通販サイトからギターを買おうとしたが、ギターの中に使われている木材が希少材であることから、国際取引規制の対象になるということで断念したことがある。
もう加工されてギターになっているのだから、いいではないかとも思うのだが、そういう商品を輸入することに関して規制があるのは、こういう記事を読むと仕方ないとも思う。

黒檀も自然界の食物連鎖の中にあり、アフリカゾウなどの哺乳類が黒檀の実を食べ、種子を散布する役割を持っているとのこと。
それらの動物も狩猟の対象になって、希少になりつつある。
黒檀の森を守ることは大変なことなのだ。
その木を使って作られた楽器に関わる人たちが、黒檀を守る活動をしないと、無計画な伐採は止まらない。

テイラー氏は言う。

「22世紀の音楽愛好家たちが木の楽器の上質な音を楽しむためには、今すぐ木を植えなければならないと、テイラー氏は呼び掛ける。
「100年後も人々が今のようにギターを弾くことができるよう願っています。私たちはカメルーンで行動を起こすチャンスを与えられているのです」」

儲かっている会社だからこそ、こういうことができる。
企業が儲かることは、こういう側面もあって、いいことにつながっている。

ちなみに、テイラー・ギターズをWebサイトで見てみたが、びっくりする値段で、手が出るようなものではなかった。

やはりだいぶ儲からないと、そんなことはできないということか…。



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