2015.11.03 Tuesday
就活前倒し2
こないだの日経の記事に、就活の時期についての有力大学長(国公私立154校)のアンケートが出ていた。
それによると、多くの大学学長が、今年遅らせた就活のスケジュールを、元に戻すことに賛成している。
前にも書いたが、就活の時期を後にしてほしい、というのは大学の希望だ。
でも、経団連に加盟していない、スケジュールを守らない企業がいるから、開始時期を後に送った分だけ就活が長期化した、という理屈。
実際には、中堅・中小の企業は春先から夏にかけて、大手に先駆けて面接などの選考をやって内定を出した。
そして、8月から9月にかけて大手の内定が出て、たくさんの辞退を出した。
未だに採用活動を続けている会社が5割ある、という。
人事も、こうなることは予想できたが、みんながやっているから…、という理由でやってしまったのだろう。
大学が自分たちのやっている教育に意味を見出し、大事だと思うのなら、中堅中小も含めて、全ての会社に対して、就活時期を後にずらしてほしい、ということを強く申し入れるべきだった。
勉強に支障があるから、ということだ。
でも、実際にはほとんどの大学では卒業単位数は3年間で取れるようになっている。
卒業には124単位必要だが、そのうち、卒業研究とゼミの単位を除いた120単位は3年終了時に取ってしまう学生がほとんど。
実質的に、そういう仕組みになっている。
だから、4回生が学校に来ない。
就職担当は学生が学校に来ないと、状況がわからないから、ゼミの先生に聞いたり、電話攻勢をかけて進路補足をしないといけない。
ぼくがその仕事をやっていた頃、4年生の必修を学科ごとに曜日を変えて置いてほしい、とお願いした。
でも、そんなことをしたら、就活のジャマになるということで先生方に蹴られた。
その時にいろんな文系大学のシラバスを調べたが、4年生の必修というのは卒論以外見当たらない。
要はほとんどの文系大学は、4年生を勉強させようなどと思っていないのだ。
4年生はゼミの日だけ学校に来てくれたらOK、ということだ。
そのゼミも、就活があるからといえば免除されることも多い。
勉強に支障がある、というのなら4年生に必修単位をおいて、4年になっても学校にこないといけないようにするだけでいい。
何も経団連にお願いする必要もない。
学校のカリキュラムを工夫するだけだ。
理系はわからないが、文系の大学は実質3年間で、あとは卒論だけというやり方自体がオカシイ。
学長はそんなことはわかっているはず。
今の文系大学では、よほど学生に問題意識があり、勉強するモチベーションがなければ、4年目は学校にはほとんど来なくていいのだ。
それらのモチベーションを3回生までで育てていれば、暇なことはなくなるが…。
多くの文系大学は、4年生に来てもらったら困るんだろう。
教室や食堂が足りなくなる。
だから、就活の時期など関係ない。
申し入れも、実際には意味はない。
いずれにせよ、4年生は学校に来なくていいんだから。
その大学が4年間勉強をさせようと思っているかどうか、だけだ。
本当のことを、学長の誰かがちゃんと言ってくれないか。
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