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2015.11.07 Saturday
アクティブ・ラーニング
大学関係者ではやりの言葉が「アクティブ・ラーニング」。
どちらかというと、中下位の大学でよく言われる。 上位校ではあまり聞かない。 定義は「教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れ た教授・学習法の総称。学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、 教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、体験学習、調査 学習等が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク 等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である。」となっている。 この中教審の定義のようなアクティブラーニングというものが、実際に存在するのか、効果が上がるのか、それはよくわからない。 一方的に教えるだけ、という授業ではなく、参加型ということなら、少人数のゼミはみんなアクティブ・ラーニングだろう。 とにかく、受ける側が、真っ白の状態で授業に臨まない、ということが大事だ。 すでに何らかの問題意識を持っていて、授業を受け、能動的に関わっていくというカタチ。 それが本当のアクティブ・ラーニングだと思う。 要は、受ける側が前もって何らかの知識を持つ、ということだ。 受ける側が、授業について興味を持って、一般的な知識を持っていれば、それだけでアクティブになれる。 授業の内容について予習をしていれば、なおいい。 ゼミは理想的なアクティブ・ラーニングの場だ。 テーマがあって、みんなで文献や本を読み、毎回誰かが発表し、それについて討議する。 だから、ちゃんとゼミをやっていれば、アクティブ・ラーニングなど改めて強調する必要もない。 もともと、大人数ではアクティブ・ラーニングなどできないと思う。 だから、下位の大学は4年間ゼミというところもある。 でも、皮肉なもので、アクティブ・ラーニングをやりたい学校ほど、やるのが難しい。 受ける側の問題意識が薄いからだ。 そういうところでアクティブ・ラーニングをやると、何にもならない。 どちらかというと、やらない方がマシだ。 教えることに集中したほうがいいと思う。 もちろん、一方通行ではダメだが…。 そのあたりのことを理解して、アクティブ・ラーニングをやらないと却って害になると思う。 まるで小学校の総合学習の時間みたいなことになってしまう。 そういうことを中教審の委員の方々は知っているのだろうか…。 |
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