考えたこと2

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入りやすく出やすい
受験地獄と言われていた頃、日本の大学は「入りにくく出やすい」ということだった。
アメリカの大学は日本に比べて「入りやすく、出にくい」と言われていた。

留学生の記事などをみても、アメリカの大学はすごく課題が多く、遊ぶ暇などない、ということが書かれていた。
ぼくの経験からは、入りにくく、出やすかったのは事実。
入試は厳しかったと思う。
4当5落という言葉があって、睡眠時間が4時間なら合格、5時間寝ると不合格、という意味だった。
今は死語になっているだろう。
その入試をくぐり抜けて入ったら、あとは自由だった。
自由という意味は、勉強したい人は勉強できたし、したくない人はしなくてもよかった、ということ。
ぼくは落語研究会に入り、ほとんどその活動と、下宿の友だちと遊んだりして4年間を過ごした。
さすがに、ぼくのような者が大学院に行くなどおこがましい、と思い4年で就職した。

しかし、時代は変わって、全入の時代。
要は大学に入りたいという人は、より好みしなければどこかに入ることができるという時代だ。

つまり、全体では入りにくかったのが、入りやすくなっている。
さすがに難関校では現役比率はあまり増えていないが、それでもだんだんと高くなっている。
偏差値が50を切るような大学では、浪人生を見つけるのが難しい。
そういう大学は、AOや推薦で半分以上取っている大学だ。
浪人生でも推薦を受けることができる大学もある。

総体に見て、日本の大学は今や「入りやすい」といえる。

入ってからはどうだろうか。

ごく一部マジメにやっている大学もあるが、残念ながらほとんどの大学は厳しい勉強をさせていない。
必修だからマジメにやって、たくさんの学生を落とせば、教務に文句を言われる。
次の年の授業がいっぱいになるからだ。
そのうえ、休退学が多いと文科省に文句を言われる。
せめてこのレベルを、と思っているセンセイも、評価を妥協せざるを得ない。
そういうことが何年か続くと、諦める。
そうして、来た学生のレベルに合わせた授業をするようになる。
そういう学校の入試は推して知るべしだ。
AO、推薦でたくさん取る。
一般入試もほとんど選抜の役割を果たさない。
したがって、来た学生のレベル、というのも低下する。
そのうち、大事なのは知識ではないとか、大学から出て社会と触れ合うことだとか言い出す。
本当に大事なのは、センセイ自らが汗を流して学生を鍛えることなのに、それは諦める。
それでも、単位は乱発だ。
来た学生のレベルに合わせるからだ。

だから、出口は苦しくなる。
なかなか就職できない。
当たり前だ。

入りやすく出やすい大学は、社会に出るときに大変なのだ。

| | 考えたこと | 23:12 | comments(0) | trackbacks(0) |