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2012.05.21 Monday
無限は遠くなりにけり
昨日の読売新聞に「情報爆発 ゼタ時代」という記事があった。
ゼタというのは、キロ、メガ、ギガ、テラ、ペタ、エクサ、ゼタという順に、1000倍に増えていく数の表示。 専門的にいえば、「国際単位系の接頭辞」という。 ゼタがどのくらいの数かというと、普通に書くと、1ゼタは1000000000000000000000ということになる。 これは「世界中の砂浜の砂粒の数」に相当するらしい。 どうやって計算したのかは不明だが、どこかの砂浜の単位面積あたりの砂粒の数を数え、それに世界中の砂浜の面積を掛けたのだろう。 世界は情報化社会になり、「2011年に世界で作成、取得、複製された情報」は1.8ゼタバイトという数になったらしい。 人類はWebを発明し、そこから飛躍的に手に入れられる情報量が増えた。 頭の中にあるものが、形となって残せ、それを世界中に簡単に提示できるようになったからだ。 ぼくのような者でも、ブログという形でテキストのデーターを世界中に示すことができる。 これは有史以来、今までなかったことだ。 コンピューターとネットワークの技術がそれを可能にした。 好むと好まざるとにかかわらず、ぼくらはその中で生きていかなければならない。 記事では、それぞれの単位のところに、相当するものを書いているのだが、エクサのところには、「今まで人類によって話されたすべての言葉 5エクサバイト」、「世界にあるすべての印刷物 0.2エクサバイト」と書いてある。 写真、文書の情報量を合わせて、計算したのだろう。 そんな量なのだろう、と言うしかない。 しかし、昔の人が聞いたらびっくりするデーターだ。 人類は技術の進歩で、そんな大きな数を扱えるようになった、ということになる。 1000000000000000000000というような数を扱うのだ。 大昔、手の指の数10本から始まり、人間はいろんなものを数えてきた。 21世紀の今、世界中の砂浜の砂粒の数まで数えることが可能になった。 どうやって数えるかは不明だが、とにかくその数を認識し、計算することができる、ということだ。 今まで誰が「世界中の砂浜の砂粒の数」を数えようとしただろうか。 だれが、「今まで人類によって話された言葉の数」を意識しただろうか。 それらは「無限」に近い数だと思っていた。 数えることが無意味だというより、そういう数を扱えないと思っていたから、「無限」に近い数だと思っていたのだ。 その制約がだいぶ減った。 だいぶといっても、1000000000000000000000だが…。 数は実在しないから、いくらでも作ることができる。 しかし、1の後にいくらゼロを続けても、無限にはならない。 無限という数はないのだ。 でも、無限は遠くなった。 少なくとも1000000000000000000000までは数えられるだけ、人間は賢くなった。 これはスゴイことだと思う。 |
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