考えたこと2

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モーグ博士生誕
今日グーグルの検索画面を見ると、シンセサイザーの絵があったのでクリックするとモーグ博士生誕78年というのが出ていた。

70年代に音楽に関わった人なら、モーグ博士の名前は知っているだろう。
今の形のシンセサイザーの元を作った人だ。
当時、ミニモーグ(ミニムーグ)という単音のシンセサイザーを発売し、一世を風靡した。
富田勲が使って、交響曲を作ったりしていた時期。

元の波形を発生するオシレーターと、周波数的な音色を決めるフィルター、そして時間的な音色を決めるエンベロープフィルターと低周波オシレーターの4つを備えたものだったと思う。
元の波形はサイン波、三角波、矩形波の3つがあった。

冨田勲が作った口笛の音などは、すごくよくできていた。
当時、どういう風に音を作るかということで番組があり、富田勲が人間の口笛はまず低い音からスタートして、いったん狙いの高さを通り過ぎ、そこから下がって音程が決まるという解説があり、なるほど、と思った記憶がある。
科学的にできているんだ、と納得したのだ。

最初は壁一面の機器に配線をして、音を作っていた(ようだ)。
それから単音が複音になった。
6音や8音同時発生というと、当時はビックリしたものだ。
その時期は毎年の楽器フェアで、どんな新製品が出てくるのか…、とわくわくしたものだった。

そうこうしている間に、FMシンセサイザーが出てきた。
これはヤマハのDX-7という機種。
これこそ、一世を風靡し、海外のアーティストもたくさん使っていた。
原理はややこしいので略すが、発音のメカニズムさえ分かれば、どんなサウンドも作れるという代物だった。
ただ、音の解析をできればいいが、できない人がほとんどで、音作りが難しい、ということもあったのだろう。だんだんと売れなくなった。
でも、この楽器はシンセサイザーの博物館があれば、必ず飾らないといけない楽器だと思う。

この頃までは、シンセサイザーの音、というのが珍重された。
今まで自然界になかった音を作れるから、そう思っていたのだ。
しかし、だんだん現存する楽器の音を作る、という事の方が重要になってきた。
オリジナルの音よりも、シミュレートする方が大事になったということだ。

その時期、メモリが安くなってきて、PCMという音源が主流になった。
これは実物のピアノの音なら、それをマイクで録音して、それを再生する、という原理だ。
もちろん、強く弾いた時、弱く弾いた時、やさしく弾いた時、伸ばす時、切る時など、いろんな場合があるが、それらを全て波形のレベルで取り込んで、鍵盤を押すと再生するという仕組み。
そこに、実物らしさを味付けするために、各社いろんな方式になっているが、基本は同じだと思う。

今はそういう音源が主流になった。
モーグ博士は亡くなってしまったが、どう思っているだろうか。

自然界に存在しない音が作れる、という機械を作ったが、結局今ある楽器の音が主流という、皮肉な結果になってしまった。

もちろん、アナログからデジタルという変化もあったし、デジタルデバイスがどんどん安くなるという変化もあった。
こういう道を通れば、生産国はアジアにシフトするのは家電と同じ。
多くの楽器は労働力が安いところで作られているだろう。

いずれは、何でもそうなる運命だろうが、モーグ博士が作ったシンセサイザーはアナログの塊だった。
スイッチを入れて、しばらくしないと音程がずれたりする、という噂もあった。
今はデジタルだから、そんなことはない。

しかし、モーグ博士の機械を使えば、音の原理がわかった。

今の機械ではそんなことはブラックボックスだ。

あらゆる所でそんな事が起こっている。

話がそれてしまったが…。


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