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2023.09.09 Saturday
スクープ 今野敏
これも実家から持って帰った本。
今野敏という作家は、2時間ドラマの警察モノで知ったが、ずっと前から書いていた人らしい。 拳法モノやSFなども書いていたと解説にあった。 これは2009年の作品。 字が大きくて、老眼には楽だ。 藤沢周平の地の文が多いものと比べると、やはり会話が多くてイメージ的には半分くらいの量。 1センチ位ある本だが、半日で読み終わった。 スクープという題名でわかるように、記者が主人公。 はぐれもののテレビの「ニュースイレブン」という11時の番組の記者だ。 上司の言うことはほとんど聞かず、会議には遅れる問題記者だが、スクープはモノにする。 連作短編集だ。 主人公の記者が解決する事件が7作。 いずれもスピード感があって心地よい。 単にマスコミの記者としてスクープを追っているのではなく、当事者の気持ちになって追いかける、という感じ。 物珍しいから、受けるから、という記者根性ではない。 そこが好ましい。 でも、そういう素振りは全く見せず、世の中をシニカルに生きているというポーズだ。 こんな記者が多ければ、世の中もう少し良くなると思う。 今野敏もまだまだたくさんあるぞ。 |
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