考えたこと2

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私大の理念?
今朝の日経に私立大学の共済事業団の理事長の記事が出ていた。
相も変わらず、日本の教育を支えているのは私立大学であり、それに対する補助が少ない、というご意見を述べている。
大学生の3/4は私立大学なのだから…という論理。

そして、私学はみんな「建学の精神」というものを持っている。
これが民間だと企業理念に相当するところ。
これが社会に対する役割を担う部分だと書いてある。
それはその通りだろう。

しかし、この先生はそれが実現できる慶応大学にいるから、こういうことが言える。
私立大学が500ほどあるが、実際にその理念を云々できる学校は半分もないと思う。
何度も書いているが、下位の大学は志願者を集めるのに汲々としており、理念などそっちのけで受験生を集めているのが実情。
安易な推薦入試やAO入試を多用し、志願者の半分以上は一般入試(1月〜3月)までに決まる。
入試を何度もやり、多様な人材という言葉でごまかして、学業成績が低くても取っているのだ。
そのために、一般入試で入った学生が驚くようなレベルの低い学生がいたりして、早々にやる気をなくしたりする。

試験結果を早く知らせないと、来てくれなかったら困るので、そういう学校の一般入試はマークシート。
次の日には結果が出たりする。

そもそも、大学で勉強するための語彙が不足していたり、小学校の算数が出来なかったりする。
それをわかっていても、学校法人が食うために入学させざるを得ない。
そういう現状をこの理事長は分かっているんだろうか。

初等中等教育のつけが大学に回ってきているといえばそれまでだが、それを当の大学が何も声を上げないから、こうなったという側面もある。

だいぶ自由化されたとはいえ、文科省の許認可権が恐いから、そういう声は上げない。
前にも書いたが、勤めていた大学のトップレベルの会議で、「割合がわからない学生に学士号をだしていいのか」と言ったら、「専門課程に関して学士号を出しているので、かまわない」と言われた。
それはもっともかもしれないが、世間の期待は違う。
実際、中小企業の社長から、消費税の計算ができんとは、どないなっとんねん、と言われたこともある。

そういう声に対して、大学は一切何も言わない。

何が「建学の精神」だ。
立派なことを言っているが、所詮は自分たちが食うためには理念などそっちのけで学生を集めている学校がどれほど多いか…。

東京のある大学が、初年児教育でアルファベットの書き方やBe動詞を教えたり、パーセントや分数のことを教えるのを単位化していたら、文科省に注意された。
学長は「できないから、大学でやっているのだ」と文句は言ったが、それに賛同する人は一人もいない。
その通りだ、と声を上げるべき学校が山ほどあるのに…。

こんな状態で、何が理念だ。

一校ぐらい、こんな初等中等教育の状態では成り立たないから、大学をたたむ、という筋の通った学校が出てきてもいいと思うのだが…。



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