![]() |
2019.05.01 Wednesday
戦争を知らない新天皇
平成天皇は戦争を覚えている世代。
戦争中に若い人たちが「天皇陛下万歳」と叫びながら死んでいったことに、昭和天皇と同じように贖罪の気持ちを持っていたと思う。 うちの父は陸軍だった。 ぼくが小学生の頃まで、天皇のことを天ちゃんと呼んでいた。 騙されたという感覚があったんだろう。 ぼくもその頃は天ちゃんと言っていた。 昭和40年代は、まだまだ天皇制は遅れた制度だという意識があったと思う。 憲法で象徴天皇になってはいるが、心情的に戦争責任は免れないと思うのは当然だろう。 ぼくはずっとそういう意識を持って大人になったが、社会人になってからその関係の本を読んだ。 読めば読むほど、どうも昭和天皇は一貫して戦争反対で、陸軍が一方的に戦争に進んでいったこともわかった。 明治の天皇制というのは、天皇に責任を押し付けて何事も進めるもの、という集団無責任体制だった。 年をとって、天ちゃんよりも天皇という名前がふさわしいと思う。 ユーラシア大陸の両端、イギリスと日本で立憲君主制が取られているのには、歴史の必然があるのかもしれない。 新しい天皇は、ぼくよりも年下で戦争を知らない。 文字通り、戦争を知らない子どもたちだ。 昭和天皇と平成天皇は、戦争を知っているという点で共通点があったと思う。 今回の天皇が初めて戦争を知らない天皇になった。 それを平成天皇は親として、象徴として、心配しているのだろう。 体力の限界もあったかもしれないが、無理を言って退位をしたのは、自分が生きている間に譲位して、その姿を見たいと思ったのではないか。 雅子さんと結婚したあたりから、なんとなく親子関係がうまくいっていないように思う。 戦争を知っている身からすると、本当に息子に任せて大丈夫なのかということだ。 若いと言っても還暦前だが、新天皇はぼくから見てもなんとなく頼りない。 象徴としての覚悟があるのかな、と思う。 発信することはすべてチェックされて、自由にものが言えないのだ。 それをこれからやっていかないといけない。 平成天皇は親として見届けたかったのだと思う。 戦争を知っている世代として。 |
![]() |