考えたこと2

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区別か差別か
誰かがニュースをリツイートしていたが、スペインの学校の図書館で性差別的な児童書を図書館から排除する動きが進んでいるらしい。
ある図書館では、幼児向けの蔵書の中から、「赤ずきん」も差別的だということで撤去されたとのこと。
「非常に性差別的でジェンダーに対する固定観念が甚だしく、教育的な価値がない」ということらしい。

赤ずきんというと、おばあさんの家にお使いをして、狼に食べられるが猟師に助けられるという話だったと思う。
狼は男性で、食べられるおばあさんと赤ずきんは女性。
これが、

「悪ふざけ程度ではあっても、暴力的な状況で女の子の意思に反した行動をするのが男の子」だという描写は、「誰が誰に対して暴力を振るってよいかというメッセージを与えてしまっている」

というところに引っかかった。
食べてしまう、というところは悪ふざけでは済まないが、まあそういうふうにもとれる。

しかし、悪者の狼は最後には赤ずきんやおばあさんの代わりに入れられた石が重くて、池にはまって溺れて死ぬのだから、勧善懲悪のストーリーにもなっている。
だから「赤ずきん」を外すことのほどもないと思うのだが…。

委員は「小学校児童であれば、物事を批判的に考える力が大きく伸び、本が学びの機会にもなり得るため、性差別の要素に自分で気付く」と言っている。

この手の「ジェンダー問題」は難しい。
世の中に男女がいる以上、童話の登場人物も男女で構成される。
男女についてステレオタイプの意識を持たずに育つことはムリだろう。
性差を区別するのは、当然だからだ。
幼児が「赤ずきん」からどんなイメージを持つか、わからないが…。

狼(男性)はおばあさんや赤ずきん(女性)を食べてしまうもの、というイメージも持つかもしれないが、猟師(男性)はそれを助けるもの、というイメージもあり得る。
細かいことを言い出したら、キリがない。
これらが「性差別的な固定観念」と言えるのだろうか…。

一方で記事の中に、

「ガーディアン・メディア・グループのオブザーバー紙と調査会社ニールセンが昨年行った調査によると、子ども向けの絵本の主役は男性である傾向が女性の2倍で、ステレオタイプな男性の役回りを務めていることが多い。さらに、せりふがある登場人物の50%以上は男性という傾向が分かった。

 著名な英国人絵本作家のローレン・チャイルド氏は、この調査結果が発表された当時、「(この割合は)社会の見方についてのメッセージになっている」と指摘。「本の中で、善人か悪人かにかかわらず主役を務めるのは男の子で、脇役が女の子であれば、それは世の中の現状と、世の中はこうあるべきだという考えを強めてしまう。そうすると、男女は平等だとはとても思えなくなる」との見解を示している。」

とも書かれている。

そう言われるとこれも、もっともだと思う。

差別か、区別か…、ややこしい問題だ。


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