考えたこと2

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過疎化
中学の頃、過疎過密という言葉を社会科でならった。
その後、過密という言葉は消えて、過疎という言葉が残っていると思う。

最近、朝のドラマの後BSでは「こころ旅」という番組をやっている。
火野正平が日本中を自転車で回るという番組。
この中で、視聴者が手紙で希望した、こころの風景を訪ねて行くというもの。
シンプルな番組だが、もう長いこと続いている。

今週は兵庫県を回っているのだが、回るのは北の方。
島根、鳥取と来て、兵庫の北の方を自転車で走っている。

どこの地方に行っても、だいたい田舎の方を回るのだが、出演者しか通らない道がいかに多いかにびっくりする。
一桁の国道でも、歩いている人や走っている車がほとんどいなかったりする。
そういう場面を選んでいるのかもしれないが、一昔前なら、全く何も通行していない道などあまり想像できない。
文字通り、人っ子一人いないのだ。

この番組を見て、想像以上に地方の過疎化が進んでいるということがわかった。
沖縄から北海道まで、地方では本当にその情景が当たり前なのだろう。

自転車だから、細い道も通る。
生活道路だと思われるところでも、人がいない。
手紙をくれる視聴者も、昔住んでいて、いまは都会にいる人が多い。
数十年前に田舎を出て、もう60歳を超えている。
もう帰らないだろう。

日本縦断して続いているこの番組。
これを見れば、本当に地方創生が必要だと思う。

というか、自治体の数を減らして、地方はどこかに人を集めるしかないという気がする。
いわゆるコンパクトシティーというやつだ。
そうしないと、インフラの維持も出来ないし、住めなくなってジリ貧になる。

日本のパターンは、ジリ貧を続けて、ドカ貧になる、というもの。
みんな、変えたくないと思っているのだが、それを続けていると、エライことになる。
それもわかっているのだが、自分たちがやり過ごせられればいい、と思うのだろう。
いや、それさえ考えてないのかもしれない。

このまま行ったら、2040年に自治体の数が半減するという話は、もっと早い時期に実現しそうだ。
だれもいない地方に、公務員だけが住み、都会からの税金で生きているという世界。

公務員は、そういう世界を思い描いているのかもしれない。

| | 考えたこと | 23:51 | comments(0) | trackbacks(0) |
70回目の桜桃忌
6月19日は太宰治の命日。桜桃忌だった。
覚えている年もあるし、忘れている年もある。
高校時代に太宰を読み始め、大学まで続いて、全集を買ってぷっつり読まなくなった。
何回かここにも書いた覚えがある。

太宰の小説はそれなりに面白いが、それらを読んだあとで読まれるのが書簡集だ。
賞が欲しいとか、金を貸してほしいとか、その手の手紙はたくさん残っている。
今年は没後70年だそうだが、周りの人たちは迷惑をかけられた人も多かったのだと思う。

桜桃忌にはファンが未だに訪れるらしい。
新聞には20代の人の話も出ていた。

津軽の金持ちの息子で、東京に出てきて、小説家になった。
でも、自殺未遂をしたり、薬物中毒になったりして、困った人だったろう。
周りをふりまわして、結局入水自殺をした。

昨日の夜中のラジオ文芸館は、桜桃忌もあってか、太宰の「姥捨」をやっていた。
これなどは、自身の女性との心中事件をもとに書いた小説。
今なら、批判が噴出するのではないか。
自分がこの年になってしまうと、こんな小説は読む気にならない。
まあ、まだ小説仕立てにしているだけ、マシな気はするのだが…。

当時、新潮社から出ていた太宰の本はほとんど読んだはず。
「走れメロス」や「斜陽」のような小説は、まだ覚えているが、数多い短編はほぼ忘れた。
よく考えたら、当時読んだ小説など、ほとんど覚えていないのだ。
かろうじて、日に焼けて茶色くなった文庫本が残っている程度。
SF小説のほうが、覚えているくらい。

それでも、太宰には、どこか人を惹きつける魅力があるんだろう。

没後60年の時にも書いていた。
それを読むと、今の自分とはだいぶ距離がある。

当たり前だが、10年前は若かったのだと思う。

そういうふうに思い出される作家なんだろう。

没後80年になったら、また感想が書けるのだろうか…。
| | 考えたこと | 14:01 | comments(0) | trackbacks(0) |