![]() |
2016.01.26 Tuesday
イギリスの自動車産業
ジャガー・ランドローバーというイギリスの自動車会社がある。
2008年にインドのタタ・グループの傘下に入った。 産業革命を起こしたイギリスから、自国の自動車メーカーがなくなって久しい。 ジャガーやロータス、ロールスロイス、アストンマーチンなど、世界に名を残した会社は今や全て外国の資本。 当時、イギリス人の車好きはみんな悔しがったに違いない。 閉鎖された工場も多かったんだろう。 去年、ジャガー・ランドローバー社が日産を抜いて、英国国内生産1位になったらしい。 これはぼくにとっても、何となくうれしいニュースだ。 特に高級車が売れていて、英国の自動車産業が復活したということらしい。 別に日産が嫌いなわけではない。 ジャガー・ランドローバーという、イギリスの名車を作ってきたメーカーが、日産を抜いて1位になったということが何となくうれしいのだ。 イギリスの製造業は、「英国病」という先進国が通らなければならない道を通り、衰弱した。 ドイツや日本と違って、伝統へのこだわりが強かったのかもしれない。 でも、サッチャーが出てきて、大幅な規制緩和をして、主に金融で復活した。 今のイギリスがあるのは、サッチャーのおかげだと思う。 そして、自動車産業も外国からの資本を呼び込んで、やっと復活してきた。 1960年代ごろから始まった英国病を脱出して、ふたたびジャガーが存在感を持って走っている。 アストンマーチンも復活したし、ミニも姿を変えたが、モダンになってBMWがイギリスで生産している。 ランドローバーもSUVブームに乗って売れているんだろう。 インドのタタ・モータースは、イギリス人の意見を取り入れて経営しているように見える。 イギリス連邦の国だけあって、理解があるような気がする。 結局、別の国の資本になったかもしれないが、過去の名車たちは名前を残して、生き残った。 イギリス人は悔しい思いもしたが、今は喜んでいるのではないか。 あの、ジャガーや、ロールスロイスのエンブレムは、自動車がある限り、残ってほしいと思う。 たとえ買えなくても、それがあるというだけで、ぼくは何となくうれしいのだ。 |
![]() |