考えたこと2

2024.9.24から、今までhttp:で始まっていたリンクが、https:に変わります。申し訳ありませんが、リンクが見られないときは、httpsに変えてみてください。
CALENDAR
<< January 2016 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
+SELECTED ENTRIES
+RECENT COMMENTS
+CATEGORIES
+ARCHIVES
+PROFILE
+OTHERS
アジア進出
ベトナムに行くという人がいる。
もう55歳である。
以前も東南アジアで働いたことがあり、その活気や若さに魅力を感じて、どうしてももう一度行きたくなり、会社を変わって行くことになったということだ。

「町歩いても、年寄りなんか見まへんデ」

彼は言う。
そうだろうなあ。あのへんはまだまだ発展途上であり、若い国だ。
入った会社は小さな会社である。
従業員が30人。
えらい少ないなあ、というと、アジアに3ヶ所の工場があり、そちらに生産はほとんど移転したということだ。
きっと数百名いた従業員は、ほとんど退職を余儀なくされたということだろう。
会社が生き残るためには、それしかなかったということだ。
それでも、この会社は資金力があったんだろう。
それもない会社の多くは潰れるしかなかったのだと思う。

バブルが崩壊し、グローバル化が進んで、本当に製造業は苦しくなった。
海外から安い人件費で作った製品が入ってくるようになった。
この会社はその時期に生産移管したんだろう。

もともと小さな部品を作っているメーカーだから、業界関係者や顧客以外その存在をほとんど知らない。
それでも、その会社だけで数百人の雇用が、80年代後半から90年代にかけて失われたということだ。

これがグローバル化のインパクトだったのか、と初めて実例を見て思った。
こういう中小企業が山のようにあるんだろうなあ。

たくさんの製造業の雇用が失われ、雇用者はサービス業に転じたんだろう。
1992年に製造業の就業者は1569万人でピークを迎え、2010年には1049万人になっている。
18年間で500万人程度減った。

その原因の一つがこの会社のような状況だ。

海外に生産移管できただけ、企業の体力があったということだから、このケースはまだマシだろう。

こういう歴史を辿って、日本の今の就業構造がある。

大変だ。

| | 考えたこと | 21:44 | comments(0) | trackbacks(0) |