考えたこと2

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ユニットバイアス
認知の歪を利用して商売する、というと何となく悪事をはたらくようなイメージになるが、意外と身近でそういうことが行われている。

最近、イタリア料理などでワインを頼むと、やたら大きなグラスに入って出てくることがある。
これも認知の歪みを利用している一例らしい。
ケンブリッジの人がウォール・ストリート・ジャーナルに記事を書いている。

調査の結果によると、大きなグラスで出されると、飲む量が多くなるらしい。
大きなグラスで出すと、9%販売量が増えたという結果。
確かに大きなグラスで出されると、全体のグラスの容積が大きいからちょっとしか飲んでいないような気になる。
そういうふうに脳が認識を歪めるということだ。
簡単に言うと、騙されるということになる。
これをユニットバイアスというらしい。

単位あたりの比率で考えるから、ユニットなんだろう。

このバイアスを使って、店側はたくさん売るにはどうしたらいいか、ということを考えるし、研究者の側は食品の消費を抑えるにはどうしたらいいか、ということを考えている。

長らく経済学は人間を合理的な行動をするもの、と考えてきたが、それでは説明できないことが増えてきた。
そこで、行動経済学ができて、そこで使われるのが認知バイアスという言葉。
ぼくらは合理的に行動していると思っていても、脳は簡単にだまされる。
そういうことがわかってきて、いろんなところで応用されている。

イタリアンレストランでは、知らぬ間にワインをもう一杯頼んでいるかもしれない。

この認知バイアスというのも、広まってしまえば、防ぐことができるんだろうか。
小学校で、人間の脳はこういうふうに騙されます、という事例を教え込めば、ちょっとは防げるようになるんだろうか。

ぼちぼち、そういうことを教えてもいいような気がする。
それだけ、認知の研究は進んでいる。

残念ながら、日本ではあまり進んでいないが…。

今年もよろしくお願いします。


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