![]() |
2016.01.13 Wednesday
宴会今昔
ぼくは47歳で仕事を変わった。
それまでの会社の宴会は、幹事になってもそんなに大変ではなく、宴会場を決める程度だった。 宴会が始まったら、最初にエライ人に挨拶をお願いして、その後は何もしなくてよかった。 わりと自由な雰囲気の職場だったということはあるかもしれない。 終わりに手締めでもすればそれでOKだった。 仕事を変わって、幹事というのはややこしいものになった。 最初に幹事をやった時、メンバーが揃っていなかったが、時間が来たので「乾杯の練習」をやった。 今いる人だけで、本番の乾杯の練習と称して、飲み始めるということだ。 それは、前の会社では当たり前だったのだが、後で聞くと「あんなの初めてや」ということだった。 そこでは、宴会というのは、形式張ったもので、若い人たちにとってはどちらかというと「うっとうしい」ものだったような気がする。 その原因の一つは、2度めの職場はいろんな職員がいたからだと思う。 正職員、期限付き職員、派遣、パートなど、いろんな立場の人がいた。 前の会社も今はそういう状態になりつつあるが、2度めの職場はもともとそうだった。 宴会が楽しいのは、酒を飲んで何も気にせず、無礼講で話せることだ。 だから、別に幹事がなにかアトラクションをする必要もない。 それが普通だったのだが、普通ではない職場もある。 いろんな職員がいると、「これは言ってはいけない」ということが増える。 自分が気にしないからといって、他の人も気にしないとは限らないのが難しい。 そんなことで、どうしても全体の宴会は「自由にご歓談を」というわけにはいかなくなったりする。 おまけにコンプライアンスが厳しくなって、「ここだけの話」が宴会ではできなくなったこともあるだろう。 どうしても、ギスギスすることもあると思う。 これはダメ、あれはダメ、こういことは言ってはいけない、などという制約の中で宴会などやっても面白くない、という気持ちもわかる。 だんだんとアメリカ型の社会になってきているのかもしれない。 ぼくの会社時代はもう古き良き時代に入るのだろう。 いずれ昭和の時代、そんなふうに宴会をしていた時期もあった、ということになるのかもしれない。 どんどん、組織が弱くなり、個人の比重が重くなる。 そういう働き方の時代が来る。 こういう時にこそ、老兵は去りゆくのみ、という言葉が似合う。 |
![]() |