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2016.01.12 Tuesday
My Way
この頃、アマゾンのプライムミュージックのプレイリストを聞くことが多いのだが、その中でフランク・シナトラの"My Way"が流れた。
あの渋い声で、"Now the end is near…"という歌い出しで始まる。 この曲、日本でも流行ったが、改めて聞くと、この最初の歌詞がすごくインパクトがある。 日本語では「今、船出が近づくそのときに」と歌っていたと思うが、この歌詞はそういう意味ではない。 ちょっと意訳しすぎだろう。 シナトラの歌はさすがに説得力がある。 耳に入ってくるのだ。 ある程度の年齢になった人が、もう終わりは近い、と歌っている。 これは「船出」という感じではない。 どちらかというと、船でいえば目的につくという感じ。 今までぼんやりと聞いていたが、こないだシナトラの歌を聞いて、これは日本のマイウェイとは違うと思った。 オリジナルは歌い出しが、すごく印象に残る。 俺はもう死ぬ、と言っているのに近い。 オリジナルの歌詞は、 And now, the end is near; And so I face the final curtain. My friend, I'll say it clear, I'll state my case, of which I'm certain. I've lived a life that's full. I've traveled each and ev'ry highway; But more, much more than this, I did it my way. もう終わりは近い 最後の幕に向かっている 友よ、これははっきり言える 確かな自分の人生を 満ち足りた人生を送ってきたし、いろんな道をすべてたどってきたけれど そのことよりも、もっと言いたいのは、自分のやり方でやってきたということだ というような意味だ。 シナトラは50過ぎでこの歌を歌った。 まだまだ終わりは遠かったが、こういう歌だった。 これは臨終に際して、友に告げる歌だ。 人生のほろ苦さ、後悔や失敗、そういうものをすべて飲み込んで、それでも自分の人生は捨てたものではない、ということを歌った歌だ。 日本語の歌詞もよくできているとは思うが、日本語の音節数では本当の意味は歌に盛り込めなかったんだろう。 よくよく歌詞を読んでみると、この歌はなかなか歌えない。 そういう歌だと思う。 この歳になったから、そういうことに気がつくのかもしれない。 このページに対訳が出ています。 |
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