考えたこと2

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忘れること
忘れることは、あまりいいことではないと思われている。
せっかく覚えたのに、忘れるというのはもったいないことだし、損したような気分になる。
脳の能力は充分に余裕があるので、忘れなくても新しいものは覚えられるはずだと思っていた。

でも、新しいものを創造するには、忘れることが必要らしい。
アメリカの「ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・サイコロジー」のにそういう論文が出たらしい。
忘れることで、新しいアイデアを思いつく。
創造性が高い人は、忘れることが上手だということだ。
発想の制約が小さい、ということになる。

忘れることが上手、というのはいいように言いすぎかもしれない。
忘れっぽいのだ。

そういえば、常識的な人はなんとなく物覚えがいいという印象がある。
物覚えがいいから、突拍子もない考えが出てこない。
そう考えると、なんとなく納得がいく。

しかし、年をとると忘れっぽくなる。
忘れっぽくなると、いいアイデアを思いつくか、というとそうでもないような気がする。
やっぱり若い人の方が、得意な感じがするなあ。

年をとって忘れっぽくなるのと、若い時に忘れっぽいのとはちょっと種類が違うんだろう。
年をとると、脳が固くなって柔軟な思考ができない、というのが一般的な考え。
本当にそうなってきたと思う。
一方若いときに忘れっぽいのは、なんとなく脳の余裕が大きくなっているという感じがある。
考えるスペースが広いというか、空いている棚がたくさんあるというか、そんな気がする。
だから、忘れっぽいと新しいものを思いつけるのだろう。

ぼくのように年をとると、せいぜいそういう考えもあるのだ、と思いつつ、できるだけ脳の中を広く空けることを考えたほうがいいのだ。

それはそれで、難しいのだが…。




| | 考えたこと | 22:39 | comments(2) | trackbacks(0) |
ガン
後輩が若くして、致死率の高いガンになったら、どういうアドバイスをするだろうか。

やっぱり治療だろう。
治療をして、治すことを促すのが普通だ。
つらいと言われている化学療法をやるしかない。

でも、よく調べると致死率が90%で、友人が「それなら世界を見て回って、やりたいことをやることにする」と言ったらどうだろうか。
あくまで、治療をすべきだ、と言えるだろうか。

ドラマでそういうシチュエーションがあった。
医者のところで、化学療法と放射線の治療計画を聞いてきた彼は言う。

「やる価値が?このままでもいい。これが寿命かも…。父もガンだったが、化学療法で苦しんで死んだ。」

それに対して、友人の先輩はこう言う。

「寿命が来るには早すぎる。治療を受けろ。吐こうがへこもうが、かまわない。100歳まで生きるんだから。」

そして、こう言う。

「まじめに聞け。闘わなきゃダメだ。」

「なぜ?」

「長い人生が待ってるからさ。未来の妻が待ってる。生まれてくる子供たちが素晴らしい父親を待ってる。それに友達もみんな君を必要としてる。」

電話がかかってきて、彼は帰ってしまう。

夜になって、彼は先輩の家に来る。

「旅立つ前にご挨拶をと思ったんですが…、闘います。負けません。大切な人たちにちゃんと覚えててほしいのかも…、ぼくは闘う男だったと…。」

結局、旅行はやめて、治療をすることにしたのだ。

いい話だった。

致死率の高いガンの治療は、迷うだろう。
日本なら、本人の選択に任せるという人も多いと思う。
この先輩のように、強くは言えないかもしれない。

でも、真摯に向かい合って、自分の意見を言う先輩は迫力があった。
こういう時には、キリスト教の力が出るんだろう。

宗教は大事だ。



| | 考えたこと | 00:13 | comments(0) | trackbacks(0) |