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2012.03.03 Saturday
希望と誇り
今回の朝のドラマは、洋裁店が舞台。
昭和40年まで時代は進んだ。 今日は三女がデザイナー修行のためにイギリスに旅立って、3人の娘がすべて出て行った。 主人公は三女に店を譲って、隠居の予定だったのだが、そうもいかなくなった。 これからどうするのか、というところ。 長女が大阪から東京に進出するので、一緒に行こうという話もある。 近所のパーマ店も、もう閉めるということで、友達が話に来る。 ずっと洋裁店を手伝ってくれた従業員もいる。 そこで、主人公が述懐を始める。 今はモードの力が大きくなって、去年はやった服も今年は全く売れなくなる。 いい生地で一生懸命作っても、その波に飲まれたらどうしても売れない。 そんな時代になってしまった。 私は、洋裁を教えてくれた先生に、「洋服はその人に品格と誇りを与えるものだ」と習った。 しかし、もうそんな時代は終わった。 もう年やなあ…。 そこで、パーマ店の友達が、「そんなことない!」と怒って席を立つ。 十分ほどして戻ってきた友達は、風呂敷包みを持っていた。 「これは私の宝物や」と言って、袋を差し出す。 その包の中にはパーマ店の制服と、それができたときに撮った写真が入っていた。 「これは私の誇りや。これがあるから頑張ってこれたんや。」 その制服は主人公がデザインして作ったものだった。 戦後の苦しい時期に、ようやくパーマ店が再開できて、従業員を雇った頃。 その制服には友達の歴史が刻まれている。 それはモードによって吹き飛ばされるような服ではない。 着る人が袖を通すたびに、誇りを感じるような服だ。 忘れていたその感覚を思い出す主人公。 そういうモノづくりがある。 ひょっとしたら、日本が生き残る道かもしれないなあ。 |
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