考えたこと2

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ワンダースリー
ワンダースリーは手塚治虫のマンガ、アニメ。

宇宙から地球に調査に来た3人組が、地球に降りて、どういうわけかウサギとカモと馬に変身して、地球の調査をする、というストーリー。
1965年にオンエアされた。
このアニメはよく出来ていたと思うし、ぼくが一番好きなアニメだ。

3人の使命は、はたして地球人は生き残るに値するか、という調査。

この調査の結果がバツだったら、地球は破壊される。
その爆弾を持って3人は宇宙から来た。

ウサギがボッコ隊長で、カモがブッコ、馬がノッコという名前。
ボッコ隊長は女性。

大きなタイヤ状の乗り物に乗っていた。
タイヤそのものが乗り物、これは覚えている人も多いかもしれない。

地球の少年、星真一と仲良くなり、星の兄が秘密諜報部員であることから、いろんな事件に関わることになり、そして、地球人は殺し合いをしてはいるが、信頼できるという思いを持つ。
最終的に、本部から地球を破壊するという指令を受ける3人だが、彼らの判断で地球を残し、ウソをつく…。

ちょうどベトナム戦争のさなかであり、こんな争いばかりしている地球人は生き残る価値はないのではないか、という問題提起だったと思う。
手塚治虫の反戦メッセージ。
地球を即座に爆破できるという、反陽子爆弾というものを仮定して、強いメッセージを送っていた。

これが手塚流のヒューマニズムだと思う。

ただただ、人間は素晴らしいというようなものではない。
邪悪なところもある。どうしようもないヤツもいる。
しかし、総体として人間は愛すべき存在だ、ということを示していた。

最近のアニメを時々見るが、世界に市場を求めるためか、無国籍のものが多い。
無国籍とは、国がなく、どういう権力構造になっていて、どういう秩序で運営されているかがわからないということだ。
戦略としては正しいと思う。
アニメならではの自由な世界を描けるからだ。
しかし、必然的に現代とのつながりは薄くなる。
ワンダースリーで描いたような、手塚のメッセージは出てこないと思う。

時代が変わったのはわかる。、
複雑になって、冷戦時代のように善悪二元論では語れない。
何が善で何が悪か、立場によって変わってしまう。
そんな世界になった。

しかし、だからこそ手塚流ヒューマニズムが必要なのだと思う。


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