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2010.11.26 Friday
緊張する瞬間
生きていると、緊張する瞬間というのがある。
長いこと生きているほど、その瞬間は少なくなる傾向があるだろう。 だいたい、人前で何かするときには緊張する。 うまくやろうとするからだ。 誰かの代表として何かする時にも緊張する。 代表だという責任感も手伝って、より緊張が高まる。 チームプレーで何かするというときにも、緊張感はある。 自分の失敗はチームの失敗になるという責任感がある。 どうも、自分だけではなく、他の誰かが絡むと、緊張するものらしい。 結局自分の背負っているものの大きさと、緊張の度合いは比例する。 今までで一番緊張したのは、会社の80周年の集会で社員代表で宣誓をしたとき。 あれは緊張した。 あの時は、自分が好きなように言うことができなかった。 人事に、「こんなんでいいですか?」とお伺いを出した。 本番で、あんなに短いセリフだったのに、忘れそうになって、一瞬黙ってしまった。 あの時の光景は今でも覚えている。 あれ…、という感じで、あの一瞬が一分にも思えた。 あれは、社員代表というプレッシャーだったのだろう。 自分だけのことになると、緊張の種類が違う。 入試のときは、そんなに勉強したわけでもないのに、直前2日間くらいは緊張した。 これは「もしダメだったら…」、ということを考えるから不安になるのだ。 前にも書いたが、落語研究会のときに分不相応なネタをやって、寄席前の1ヶ月ほど緊張した。 意識はしていなかったが、病院に行って診断も受けた。すい臓がんだと思ったのだ。がんノイローゼである。 必死で練習したが、本番は悲惨だった。 これは自らプレッシャーに負けた一番の出来事。 誰しも、緊張した瞬間はあるだろう。 年をとると、それは少し懐かしく、少し恥ずかしい。 もうあんな緊張は残りの人生でないかもしれない。 何かにトライしなければ、緊張は生まれない。 少し寂しいような気もする…。 |
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