考えたこと2

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最後のグレーディング
ぼくが会社に入ったのは1979年。
入社の年は12月まで研修だった。
販売、製造、サービスなどの部署で実習をする。

その時のことはよく覚えているが、なかでも生産技術の部署で実習していたときのこと。
ちょうど、ぼくがいるときに定年退職の人がいた。
明日で退職という日だった。

部署の人がその人に声をかけて、「最後のグレーディングに行こう」と言った。
グレーディングというのは、検査でハネたもののグレードを分けること。
工場では毎日やっていた。

「行こか」と言って2人して現場に向かった。
そこでどういう会話がされたかはわからない。

ぼくらは新入社員だったので、見ていただけだったが、ああいうふうに定年の日を迎えるのか、となんとなく思った。
いつものように働いて、次の日は退職。
もちろんいろんな手続きはあるだろうが、当時の60歳はおそらく今よりも老けていたから、この人は40年ほど働いてここまで来たのかという感じだった。

当時の男性の平均寿命は73歳だから、ちょうど10歳違う。
だから、感覚としては今の70歳が当時の60歳。
あと1年ちょっとだ。

幸か不幸か、ぼくは定年退職を迎えたことはないが、あと1年ちょっとでそういうことになるかもしれない。

その時ぼくの「最後のグレーディング」は何になるのだろうか。


| hdsnght1957kgkt | 考えたこと | 23:17 | comments(0) | trackbacks(0) |