考えたこと2

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家庭用電気料金
日本の電気代が高く、中国の倍以上と聞く。
ヨーロッパはロシアのパイプラインがガスを送ってこなくなって、電気代が高騰しているというのも聞いている。
ドイツは原発も止め、風車をどんどん建てて、再生可能エネルギーを増やすと言っている。
それらの情報を漏れ聞くのだが、まとまった情報がなかったが、Xで紹介されていた。
それは「電力中央研究所 社会経済研究所」というところの資料で、「燃料価格の上昇と主要国の電気料金」というコラム。

それによると、2022年で最も家庭用電気料金が高いのはデンマーク。
それからイギリス、ドイツ、イタリア、スペインなどの欧州諸国が続く。
フランスは原発がメインの電源だから、電気代は安い。
フランスとデンマークを比べると、再エネ比率と原発比率が逆転しており、デンマークがなぜ高いのかというのがよくわかる。

イギリスやドイツも同じだ。
再エネを増やすと、電気代が上がる、ということがよくわかる。
世の中、そう簡単に理想通りにはいかない。

太陽光は昼間しか発電しないし、天気が悪いと電力は落ちる。パネルが汚れても効率が落ちる。
それらを総合すると、100%の発電量を続けた場合の20%にも満たない。
風力発電はちょっとマシで、30〜40%だという。
結局、再エネは自然に左右されるのだ。

電力利用者が、今日は雨降りだから、あるいは風が吹かないから、電気は来ませんということをOKするなら、再エネ100%にすればいい。
しかし、そういうわけにはいかないから、再エネを使うのならバックアップの電源が必要だ。
それが昔からある火力や水力の発電になる。
二重に設備を持つということで、また効率が落ちる。
それを防ぐには再エネで発電した電気を貯めておくことだが、これは桁違いのコストアップになる。
再エネ優先で電力をマネジメントしようとすると、そういう問題が起きる。
欧州の国々の電気代が高いのはそういうことだ。

日本は欧州より安いが、化石燃料が安いアメリカや、水力がメインのカナダ、原子力が2位の韓国に比べると高い。
これは産業の競争力にも影響するので、日本のように製品の輸出に頼っている国にとってはとても大事な問題だ。

こういうことが知られていない。
新聞にも載らないし、国会でも議論にならない。
今注目されている半導体など、電気がたくさん必要なのだ。
電気代はその競争力の一端を担っている。
TSMCが九州に立地を決めたのも、九州は原発比率が高いということもあっただろう。
今の日本は、そういう企業に来てもらって、雇用を生み出さないといけないのだ。

単に再エネは勝手に発電するから安い、というような感覚で考えてはいけない。

付加価値の高い雇用を生み出すのは、日本を豊かにするために必要なのだ。



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