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2021.11.26 Friday
高校生の夢
日本の高校生は国や社会に対する夢を持っていないらしい。
2019年に日本財団というところがネットで各国1000人に調査した結果、将来の夢を持っていると答えた高校生は60%。 その他の中国、韓国、ベトナム、インドネシア、インド、ドイツ、イギリス、アメリカの高校生たちはほぼ9割以上が夢を持っている、と答えている。 続いて、「自分で国や社会を変えられると思う」という問だが、これが18%しかそう思っていない。 その他の国で、次点が韓国の40%、ドイツの46%、ベトナムの48%と続き、その他の国は全部50%以上。 中国でさえ、66%が「変えられる」と思っているらしい。 日本の高校生の18%は異常に低い。 最後に「自分の国に解決したい社会課題がある」と答えた高校生は46%。 他の国は、ドイツの66%を除いてすべて70%以上。 これがいいことなのかどうかは、難しいところだ。 自分の高校時代を思い出す。 ぼくは当時の風潮で左翼かぶれだった。 先生も左翼だったから、仕方ないだろう。 石川達三、太宰治、坂口安吾などを読んでいた。 反体制とか、革命とか、そういう言葉の響きがカッコよかった。 今の高校生たちはどうなんだろう。 左翼というのは、ある意味理想主義的なところがあり、きっと当時の自分なら少なくとも「社会を変えたい」とは思っていたはず。 おそらく、そういう夢はあるかという問を出されたら、あると言っていただろう。 まだ18歳にもなっていないのだから、将来の夢はいろいろあった。 小説家やシンガーソングライターなど、なりたいものもあった。 以前、年をとるということという記事を書いたが、まだ夢のリストにはいくつかの夢があった頃だと思う。 思春期のころで、今でいう中2病を引きずっていたとも思う。 やけに大きな自我がまだまだあった頃だ。 今の高校生たちは、そういう夢もないのだろうか。 それは、今の日本が安定していて、自分が変える必要もないと思っているからだろうか。 それとも、そんな努力をするだけ無駄だと思っているのだろうか。 30年ほど低成長が続き、給料は上がらず、起業は海外で儲け日本には還元しない。 投資の魅力がないからだ。 アベノミクスの第三の矢は放たれないまま、たくさんの規制が残っている。 それを何とかしないと、高校生の夢も戻らないだろう。 |
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