考えたこと2

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日本のデーターサイエンティスト
以前にメジャーリーグのアストロズの記事を書いた。
メジャーでは、野球もビッグデーターの時代になったということだ。

メジャーでは、スタッドキャストというグラウンド上の選手やボールの動きを解析するシステムができて、たくさんのデーターがとれるようになった。
そのデーターをデーターサイエンティストが解析して、この革命が起こった。
スポーツは世の中の事象と違って、結果が明確に出ているから、効果が出やすいのだろう。

今までは「ボールを転がす」方がヒットの確率は高くなると思われていた。
直感的に、転がすほうが相手がエラーする可能性も高そうな気もする。
内野安打もあるし、出塁率が上がるということもある。

しかし、スタッドキャストでとったデーターを解析すると、ボールを打ち上げたほうが安打の可能性も上がる、という結果が出た。
そう言われると、転がすよりも打ち上げたほうが球速も速いし、内野よりもヒットゾーンは広いからいいとも思える。

人間の直観はいい加減なものだと思う。
今まで何十年も信じられてきたことが、データーで覆る。
インフラとして、データー取得のシステムができることが重要だが、そういうものが高性能のカメラなどを使い、打球の角度や方向、スイングスピード、投げたボールの回転方向と回転数などの解析装置が開発されることで可能になった。

メジャーリーグは進んでいるのだ。
野球の解説にも、それらのデーターは使われているらしい。
日本の解説者とはエライ違いだ。

思い出すのは、第二次大戦中の特攻隊の攻撃をどう防ぐかというアメリカの対応。
亡くなった父がいつも言っていたが、カミカゼ特攻隊の成功率を下げたのはオペレーションズ・リサーチという数学的手法。
アメリカはどうやったら、カミカゼに当たりにくくなるか、迎撃できるかを数学的に考えたということだ。

2016年に出ている防衛大学のオペレーションズ・リサーチの文献から引用する。

オペレーションズ・リサーチと探索理論
ここで解説するのは,オペレーションズ・リサーチ(略して,OR)という学問分野の中の探索理論という研究テーマです.OR を世界に普及させた著書として,モースとキンボールが書いた『オペレーションズ・リサーチの方法』という有名な本があります.その中には,第二次世界大戦中に日本の特攻機による攻撃に悩んでいた米海軍の軍艦に向けて,アメリカの分析者が提案した対処法が載っています.高々 200 ケースばかりのデータではありますが,分析者たちはまず大型艦と小型艦で,回避運動をした・しなかったかで特攻機の軍艦に対する命中率の変化を調べ,「大型艦は回避運動をせよ.小型艦は回避運動をせずに特攻機を攻撃せよ」と提案し,現場で大きな効果を得ました.現代のわれわれからすると,このような分析はビジネス界をはじめどこでもやっていることだと思ってしまいます.ところが,このように客観的なデータを使い,合理的,科学的に考察し,問題の解決策を見つけるということは,当時コロンブスの卵だったのです.その証拠として,イギリスで誕生した ORは,戦時中,秘密裡に米国に譲り渡された軍事技術の一つだったことが挙げられます

日本人は勤勉だが、こういう考え方は不得意だ。

その証拠に、日本でもそういうシステムは導入されているようだが、積極的に活用して強くなったというハナシは聞かない。
ひょっとしたら、今年のオリックスやヤクルトなどは使っているのかもしれないが…。

導入はしても、解析するデーターサイエンティストが足りないのかもしれない。
大学では旧態依然とした学問が主流で、今から必要になるデーターサイエンティストなどの養成は後手後手になっている。

日本の精神風土も、それに輪をかける。

指導者が精神論に走り、古い権威を守ろうとして、新しい考えを許容できない。
老兵が去らずに居座るという弊害が起きる。
おそらく、今の日本の至るところで、そういうことが起こっているのだろう。

ぼくは実際に高校で教えている教師が、数学など要らないというのも見たことがある。
これらの差が、GAFAの強さを生んでいるのだろう。

ビッグボス新庄はデーターを使うことができるのだろうか…。






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