考えたこと2

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本嫌い
こないだ国語が不得手という学生の模擬面接をやった。

この学生はピアノが趣味で、ジャズのCDを流しながら聞いてすぐに自由に弾けるというすごい学生。
ピアノの先生から、自分の生徒のピアノ学習の助手をしないかと言われて、それを頑張ったということをエントリーシートに書いている。

彼女は面接で話すことを一字一句覚えようとして、今日の練習で撃沈した。
前回の練習でも、一字一句覚えるというのはやめよう、と言ったのにそれをしたというわけだ。
なぜそうするのか?と聞くと、自分は国語が苦手で、なかなか言葉が出てこないので、普段話していても「何を言ってるのかわからない」と言われることがあり、そのために一字一句覚えたほうがマシ、ということになったらしい。
なるほど、そういうわけか…、と納得した。

でも、実際に言葉を覚えて話そうとすると、頭の中に字幕が見えて、その文字がでてこないと言葉が止まってしまう。
何度もそうなるので、やっぱり一字一句覚えるのはやめて、イメージを覚えようという話をする。
しかし、イメージが浮かんでも、それを言葉にするのが難しいと、同じことだという。
たしかに、それはその通りだ。

ピアノがそれだけ弾けるということは、右脳が発達していて、芸術方面が得意なんだろう。
その分、左脳(言語)が苦手ということになるのかもしれない。
そういう話をすると、彼女には初耳だったらしく、なるほど、自分が言葉に弱いのは当然なのかと納得しそうになった。

そうではなく、音楽が得意で優れているだけで、言語が劣っているわけではないと説明する。
その証拠に、スマホでかなりの量の活字は読んでいるはず。
単に音楽に時間をかけて、読み書きをおろそかにしていただけだろう。
それは今からでも取り返せると話す。

彼女が新聞を読んだほうがいいのか、と聞くので新聞は面白いか?と聞く。
全く面白くないという答え。
当然だ。世の中に対して問題意識があって、初めて新聞の記事が飛び込んでくるようになる。
それが全くないと、面白いわけがない。

学校のプレゼンの課題で、黒人差別について発表したというので、それなら黒人差別の記事は興味があるか?と聞くと興味があるという。
その、事前に知っている知識のことを問題意識というのだ、と説明した。

本も同じで、これを読めと言われても興味がなければ面白くないし、面白くない本を読むのは本に相当親しまないと無理だ。
もともと拒否感があると、眠くなるだけで、実際そうだという。

だから、本が読めないのではなく、面白い本にまだ出会ってないだけなのだ。
同世代の友だちに聞いて、推薦された本を何冊か読んでみたらいい。
できれば小説だ。
そうすればいつか必ず面白い本に出会えるはず。
そして、それは早ければ早いほどいいのだ、と話す。

面接の練習よりも、本の話が長くなってしまった。
とりあえず、文字で覚えるか、イメージで覚えるかは任せるが、頑張ろうと切り上げた。

できれば大学にいる間に、自分自身が面白いと思える本に出会ってほしい。

それはピアノと同じくらい、君の人生を豊かにするはずだ。




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