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2019.07.23 Tuesday
食えない仕事
こないだ見に行ったライブで、20代、30代のシンガーが歌っていたが、きっと歌だけでは食えてないと思う。
それでも、数十人の観客の前で歌って踊っている時は、とても楽しそうだった。 好きなことをやりつづけるのは、経済的には苦しいが、生きている充実度は大きい。 それをいつまで続けるのかという問題もある。 この選択は難しい。 経済的に十分な仕事を持っていて、副業で好きなことをやるという手もある。 それなら、リスクは小さいし、安全だ。 しかし、そういう人は少ないだろう。 だんだんと緩和されつつあるが、今の日本で二足のわらじを履くのはまだしんどい。 いきおい、副業の方に重点をおくと、本業が圧迫されるし、続けにくくなる。 それに、本来の好きなことをやる時間が減るから、不満もある。 趣味ならかまわないが、本当に好きなことをやりたいと思ったら、どうしてもフルタイムにしたいものだ。 家でできる物書きみたいな仕事なら別だが、食うことが前提なら、フルタイムでやらざるを得ないからなあ。 学生の相談で、そういうのがあったら「時間を決めてやってみろ」という。 全くの夢物語なら、食える仕事につくことを勧めるが、ある程度本気の時はそういうこともできない。 だから、「時間を決めること」が大事になる。 半年なり、1年なり、2年なり、とにかくやってみるのだ。 ダラダラやるのはダメ。 やるなら、本気でやる。 それで目標を立てて、期限までに達成できなければ、辞めるということだ。 何にせよ、今を一生懸命生きていることが大事になる。 就職の面接に行ったとき、ちゃんとブランクの時間を説明できることが大事。 何事も本気で取り組んだら、得るものがある。 それがハンデになるかもしれないが、それは自分が決めたこと。 食える仕事について、そこからもう一度考えればいい。 しかし、親の立場に立つと、微妙だろう。 絶対無理とも言えない。 声優になりたいとか、アニメをやりたいとか、ミュージシャンになりたいとか、いろいろある。 どれも、専門学校があるくらいだ。 プロサッカーの専門学校があって、そこの元教員と話をしたが、一番困るのはサッカーを諦めさせることだと言っていた。 学校は商売だから、一応定員までは、来るものは拒まない。 テストをして、明らかにJリーグは無理、という人も入れてしまう。 入ったときから、サッカーで食えないとわかっていても、入れてしまうのだ。 小学校からサッカーをやってきた人たちに、サッカーで食うことを諦めさせることは大変だろうと思う。 その構造は、入学試験が機能していない下位の大学も同じようなものだが…。 だいたい、その手の仕事には「才能」が絡む。 ほんの一握りの成功者を夢見て、トライする若い人たちがいる。 夢は大事だが、罪作りだ。 |
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