考えたこと2

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よしもと問題
芸人の闇営業の問題で、問題の芸人や吉本興業の社長が会見をしている。
最初から、なんとなく違和感があったのだが、この記事がちゃんと書いてくれた。

元山口組経済ヤクザで作家の猫組長、という人がいるらしい。
その人がこの問題に対してコメントしている。

この記者の書き出しが素晴らしい。

「発端は宮迫博之氏、田村亮氏ら芸人が、反社会的勢力から金銭を受領したことだ。素性を事前に知っていようといまいと、結果として犯罪集団から大金を得る副業をしたなら、普通の会社員であれば懲戒解雇にもなりかねない。吉本は芸人を社員として雇用してはいないが、社会的責任を負う大企業として、関係者の不正行為に厳正に対処する義務がある。それが涙混じりの感情論にすり替わっているとは、議論の逸脱も甚だしい。」

まさにその通りだと思う。

猫組長は、社長の会見で契約解除など芸人への処分を撤回したことを「非常にまずい」と指摘している。
これで、芸人たちは結局のところ何でもありと勘違いしてしまって、ガバナンスが潰れるという。
社会の常識にしたがって、処分は厳正にするべきだと思う。
「嘘をついた」などというのは、全く言い訳にもならない。
まだまだ駆け出しの若手ならともかく、ベテランの芸人が涙ながらに「嘘をついてしまった」というのは情けないとしか言いようがない。
本来なら懲戒解雇であり、それを撤回するというのは禍根を残すと思う。

さらに、反社会的勢力について、こう書く。

「それから今回の事態は、反社がじっと見ていることを忘れてはいけない。当事者の詐欺集団だけじゃないですよ。芸人やタレントと付き合いのある奴らはみんな、「こういうふうに劇場型にすれば、世論を誘導できるのか。企業を思う通りに動かせるのか」と学習しています。芸能と関係がなくても、世論を誘導すれば金儲けに繋がることは多いしね。吉本の経営は、絶対に毅然とした態度をとらなあかんのです。」

まっとうな意見だと思う。
たとえ、裏で反社会的勢力とナアナアでやってきたとしても、そういう態度をとらないといけないのだ。
実際、猫組長は吉本の大物芸人を宴会があるごとに呼んでいたという。

ただ、今回のオレオレ詐欺の集団はかなりいい加減だという。
写真や動画が出てくる事自体、得体の知れない集団だという証拠。
要するにまっとうなヤクザなら、こんなことにはなっていないということだ。
もちろん、まっとうだから、いいというわけでない。
しかし、ランクで言えばもっといい加減なヤクザということであり、それはそれで大きな問題だろう。

今回の経緯は、あまりにも反社の問題を軽視しているという指摘。
これも全くそのとおりだと思う。

「国内においてはここ10年、暴力団排除条例(暴排条例)が全都道府県にでき、あらゆるビジネスや付き合いが封じられてきました。この流れの中で、芸人やタレントとも昔ほど深く付き合わなくなりました。宴会を開こうにも店も借りにくいようなご時世で、ヤクザにとっては派手な宴会を開いて目立つこと自体がリスク。いかに目立たないかが非常に大事になっているんです。

 そして国際的には、AML/CFT(マネーローンダリング・テロ資金供与対策)ほどシビアなものはありません。IMF(国際通貨基金)などあらゆる国際機関は、テロ組織やマフィア、ヤクザだけでなく、振り込め詐欺みたいな犯罪行為に絡む金融取引を、極めて強い意思のもとに排除しています。日本はそういう国際機関から、「対策が手ぬるい」と度々言われてきた国なんです。

 吉本は教育事業など行政案件に進出しているでしょう。あまつさえ、安倍晋三首相を新喜劇の舞台に立たせて、政府との関係が深い。そういう影響力の大きい企業が、反社リスクを抱えているわけです。今回の吉本の問題も、国際問題に発展するリスクがあると思いませんか。」

猫組長の言っていることは、語弊があるかもしれないが、さすが元山口組経済ヤクザだと思う。

普段は舌鋒鋭いマスコミも、自分たちが吉本興業に依存しているせいで、追求が甘い。
ジャニーズ事務所と同じで、特に関西では地上波は今や吉本に頼らずに番組を作るのが難しくなっているということだ。
新喜劇と漫才・落語の番組だけやっている頃ならよかったのだが、今や関西ローカルではテレビをつけたら吉本の「タレント」が出ている。
お笑い以外に何の専門性もない「タレント」だからこそ、ギャラは安い。
その「タレント」たちが、井戸端会議のような話をする。
それが今の関西のワイドショーやバラエティだ。

「そしてもっと深刻なのは、これほどのグレーさを露呈した吉本とテレビ局との関係が、相変わらず密接なままという点です。テレビ局は吉本にとって株主であり、芸人を番組に出してくれる顧客でもある。一方でテレビ局は上場企業で、何よりも総務省の許認可を受けて事業を行う公器であり、社会的責任は極めて大きい。一般企業の感覚なら今回の問題を受けて、「吉本の芸人である以上、反社リスクが存在する。この恐れが拭えない限り、吉本の芸人は使えない。吉本との資本関係も見直す余地がある」と判断するのが普通。さもなくば他の取引先と自社の株主が許さない。

 にもかかわらずテレビ局は現時点でも、吉本の芸人を番組に起用し続けているばかりか、闇営業問題を取り上げた番組でコメントまでさせている。芸人やキャスターが反社の問題に切り込むことはなく、「パワハラ体質の吉本と芸人との間の感情的な内輪もめ」に議論を終始させています。これは恣意的なストーリー作りとちゃうのん、と僕は思う。」

拍手を送りたいほど、まともな意見だと思う。
なぜこういう意見が出てこないのか、不思議だ。

最後にテレビ局に対してこう言う。

「そしてテレビ局は、株主として吉本の行動をきちんと監視し、議決権行使などの形で是正を求めるべき。「明確な対策を講じない限り、おたくの芸人・タレントは起用しません」と通告し、さもなくば資本提携を解消すると言うべき。銀行や一般企業など、吉本の他の株主は早晩そういう行動を取るでしょうね。そういう中で、テレビ局だけが厳正に対処せず、番組でも芸人を起用し続けたなら、それはもう彼らも問題の共犯者としてアウトやね。」

ぼくもアウトだと思う。
元山口組の人が言うことが、一番まっとうだということが、何となく情けないが、そうなんだから仕方がない。
どうしてこういう意見がマスコミから出てこないのか…。
そこまで劣化してしまったということか。

ちゃんと全ての関係者が責任を果たしてくれることを願う。

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