![]() |
2016.08.14 Sunday
ビーフジャーキー
ぼくが会社に入った頃(1980年代)、海外出張はまだ珍しいものだった。
当時の行き先は、アメリカかヨーロッパ。 自動車の輸出先だ。 アジアなどまだまだで、モータリゼーションが起こっているのは日米欧の3カ所だけだった。 食料品の輸入もそんなに進んでおらず、嗜好品などはなかなか入ってこなかった。 まだまだ円は弱かったんだろう。 時代としては日本が欧米のトップメーカーに追いついたのかなというところ。 それでも世界の壁はまだ厚いという感じだった。 当時、海外に出張に行くとなると、神戸の本社から伊丹空港に部署みんなで行って、壮行したのを思い出す。 行く方も「頑張ってきます」といい、送る方も「成功を祈る」などと言っていた。 その頃の土産の定番がビーフジャーキーだった。 ぼくがビーフジャーキーを初めて食べたのも、アメリカに出張に行った人の土産だったと思う。 へー、こんなものを食べているのか、と思った。 まだまだ珍しかったから、ありがたくいただいたものだ。 これは、西洋のスルメみたいなものか、と食べながら思った。 いろんなブランドがあり、テリヤキというようなものもあったと思う。 保存食だから、やけに塩辛かったのは事実。 今はアマゾンで検索すると、国内でも作っているようだ。 なつかしい輸入ブランドもある。 いずれもすぐに手に入るようになった。 80年代初頭に比べると、ずいぶんグローバル化したものだ。 大学生の話を聞いていると、海外に行ったことがない人のほうが少ないようにすら思える。 ぼくらの時代とはだいぶ違う。 ぼくは飛行機に乗ったのも、海外に行ったのも会社に入ってからだった(もちろん出張だ)。 今の20代の人たちの、海外に対するハードルは低い。 ぼくらの頃とは比べものにならない。 彼らがぼくらの年代になる頃にはどうなっているのだろう。 もうビーフジャーキーは土産にならないだろうが…。 |
![]() |