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2016.08.13 Saturday
トニー・ディノッゾ
10年間ほど毎週録画して見ていたNCISという海軍の犯罪捜査官のドラマがある。
シーズン13まで終わり、ずっとレギュラーだった俳優が役を降りた。 トニー・ディノッゾという役。 ドラマが始まった頃はまだだいぶ若かった。 捜査官の役。何度か死にかける場面もあった。仲間の死もあった。 役を終える頃には中年になった。 イタリア系アメリカ人の役。いつもジョークを言い、後輩をかわいがる(時にいたぶる)。 映画好きで、なにかと映画のシチュエーションにあてはめて話す。 元はたしか刑事で、海兵隊の出身ではなかったはず。 プレイボーイを気取ってはいるが、根はマジメな人間。 いつもしょうもないことを言って、ボスに後頭部をハツラれるという役どころだった。 彼がいることで、厳しいボスの元で捜査をするシリアスなドラマに、だいぶ明るさが付加されていた。 10年ほども毎週見ていると、そこそこ仲良くなる。 仲良くなると言っても、友だちになるわけではないが、彼の役の上での人間性や言動などわかるようになる。 もう役の上で彼を見ることができないのかと思うと少し寂しい。 このドラマ、海兵隊上がりのボスがいるドラマで、アメリカでは高視聴率を保っている。 志願兵を増やすためにも、こういうドラマが作られるんだろう。 決して仲間を見捨てず、助けるためには逆説的だが死を厭わない。 仲間を家族と呼び、やられたらやり返す、という精神。 それを何度もくり返し、確認する。 本国では13年続き、スピンオフのドラマも2本出来ている。 この手のドラマは手を変え品を変え、常に作られている。 これで最初からのメンバーはボス、科学捜査官、検視官の3人になった。 こうなると、いつ終わるんだろうかと思う。 主人公のボス役の俳優はもう64歳になった。 きっとここまで続くとは思っていなかっただろう。 ある種、アメリカの価値観を表したドラマ。 その名物男が一人去った。 お疲れさま。 |
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