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2016.08.10 Wednesday
ストラディバリウス
ストラディバリウスというと、バイオリンの名器。
イタリアの楽器製作者ストラディバリが作ったものだ。 高いものは10億円以上の値がつく。 でも、本当にストラディバリウスが「いい音」がするのか、は疑問だ。 それを証明しようとする実験が行われている。 2012年に行われた実験は本格的なものだ。 概要は以下。 ・演奏者はトップクラスのバイオリニスト10人 ・バイオリンの数は12台。(ストラディバリウス5台、18世紀イタリア製のバイオリン1台、現代の弦楽器製作家が作ったバイオリン6台) ・場所は音楽用のリハーサル室とコンサートホール ・演奏は2回 75分ずつ ・基準は「自分がコンサートで使うならどのバイオリンが一番いいか」 ・演奏中は特殊なゴーグルをつけ、バイオリンが見た目で判断できないようにする ・自分が用意しているバイオリンも演奏可 ・観客から意見を聞いたり、他のバイオリニストの演奏を聞くのも可 まず、お気に入りのバイオリン4台を選び、気に入った順に並び替えて、気に入らなかったバイオリンを指定する、という実験では現代に作られたバイオリンが合計26ポイントでトップになった。 最も評価が低かったのが、なんとストラディバリウス。 上位は、1位と2位が現代のバイオリンで、3位が黄金期のストラディバリウスだったとのこと。 今のバイオリンの方がいいという結果。 作られた年代を答えるという実験では、正解が31回、不正解が33回で答えが曖昧だったのが5回。 総合的な結果として、プロの演奏者は好みのバイオリンを選ぶことができるが、年代はわからない、ということだ。 現代のバイオリンの値段はストラディバリウスの1/100程度とのこと。 いつの時代も古いものにお金を出す人はいるが、この骨董趣味はちょっとひどいという結果。 17世紀から18世紀の楽器だから、300年ほど前の楽器。 できた時はもっといい音だったのかもしれないし、逆かもしれない。 一般にエイジングすればよくなると言えるが、保存状況にもよるだろう。 昔はエアコンなどないから、今よりも状況はヨクナイと思う。 その結果が現れたということか。 でも、日本でも有名なバイオリニストが家を売ってストラディバリウスを買ったりしている。 音の良さと骨董的値打ちは違うということかもしれないなあ。 Youtubeで高いギターと安いギターの弾き比べをやっていたりするが、あれは違いが明確にわかる。 いい音の定義は人それぞれだろうが、多くの人が値段の高いギターを選ぶと思う。 でも、そこそこ高いもの同士になると、あとは好みや弾き手の問題で意見は分かれるだろう。 だいぶ前に高石ともやがマーチンの年代物のギターを間違って持ってきてしまって、今日は保険無しで演奏します、と言っていたのを聞いたが、そんなに感激するほどの音はしてなかったと思う。 まあ、歌の伴奏だから、そんなものかという感じだ。 ある程度の値段以上なら、本人の思い入れ(自己満足ともいう)で決まるんだろう。 それにしても、ストラディバリウスは高い思い入れだということが証明された。 もちろん、思い入れだから、持っている人はこんな実験は意味がないのだが…。 |
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