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2015.08.18 Tuesday
ユーミンのベスト20
ぼくはユーミンというと荒井由実が先に来る。
70年代後半に「きっと言える」という曲でビックリした。 それまでのフォークソングから発展した曲とは、全く違った感じだった。 声も特徴的だし、メロディラインも斬新だった。 なんか、「新しい」というイメージがあったなあ。 ちまちまギターを弾いて歌うというようなものではなく、今までの常識をふっ飛ばしたような、そんな曲だった。 そんなわけで、ユーミンのベスト20を選ぶと、どうしても荒井由実の時代の曲が多くなる。 実際、よく聞いたアルバムというと、「ひこうき雲」「ミスリム」「コバルトアワー」「14番目の月」の最初の4枚が一番。 松任谷由実になって、4枚ほど休んで、「時のないホテル」、2枚休んで「昨晩お会いしましょう」「パールピアス」「リインカネーション」「ボイジャー」「ノーサイド」、1枚休んで「アラームアラモード」「ダイアモンドダストが消えぬ間に」、だいぶお休みして「ア・ガールインサマー」、1枚休んで「ロードショウ」「ポップクラシコ」と15枚のLP・CDを持っているはずだ。 TSUTAYAで借りたものも入れると、20枚くらいは聞いたはず。 その中から、ベスト20を選ぶと…、 20位 カンナ8号線 サビの「思い出にひかれて ああここまで来たけれどもう〜」というところがすごくいい。 ディストーションギターのリフ(伴奏)が好きだ。 1981年、就職して2年目だった。まだまだLPとカセットの時代。 19位 A HAPPY NEW YEAR 「昨晩お会いしましょう」というアルバムのラストの曲。 11月に発売のアルバムだった。出てすぐ買ったはず。1982年の正月はこの曲を聞いていた。 まだまだ若かったなあ。 18位 よそゆき顔で この曲もギターのリフがいい。どうしてもそういうセレクションになるなあ。 こういう歌詞を書かせたら、ユーミンの右に出るものはいないと思う。 17位 霧雨で見えない バラードほどゆっくりでもなく、アップテンポでもない。 不思議な魅力がある曲。昔のユーミンはこういう曲をかならずアルバムに1曲は入れていた。 16位 土曜日は大キライ オレたちひょうきん族のエンディングテーマだった。ぼくはあの番組はキライだったが、「土曜日は大キライ」は好きだった。 80年代のシンセサイザーの音で派手に始まる。時代を感じさせる1曲。 15位 9月には帰らない 9月には帰らない…、という曲そのもの。結局なんで9月には帰らないのかは定かではない。でも、海辺の道をバスがのんびりと走る光景が目に浮かぶ。なぜか心に残る曲。 これは78年の曲。まだ学生だったのか…。 14位 さざ波 ひざに開いた短編集も 風がめくって いつの間にかエピローグ、というような歌詞の世界が、今までの日本ではないような気がした。「14番目の月」の1曲目。 こういう世界がそれまではなかった。1976年。いい時代だったなあ。 13位 天気雨 「14番目の月」から2曲目。出だしの、波打ち際をうまく 濡れぬように歩くあなた、という歌詞とメロディがぴったりあって、こういうのをキャッチーなメロディというのだと思う。 このアルバム、エレキギターは鈴木茂だが、当時このバッキングに憧れた。 12位 まぶしい草野球 この、まぶしい草野球は、太陽がまぶしいのではなく、あなたがまぶしい草野球だ。 1980年のSURF&SNOWに入っている。 ミディアムテンポのほんのりする曲。このアルバムにもいい曲はたくさんあるのだが…。 11位 春よ来い 朝ドラの主題歌だった。この曲は94年。文語体の歌詞が新鮮だった。この頃から何となくユーミンから、というより流行歌から遠ざかったような気がする。仕事が忙しくなったことや、40歳が近くなってなんとなく…だったと思う。 10位 DESTINY これはどちらかというと、Hi-Fi Setの方が印象に残っている。 何で、安いサンダルを履いている時に別れた男に会ってしまうのか、というやるせないけど、何か笑える状況が、何とも切ない。 9位 冷たい雨 Hi-Fi Setつながりで、冷たい雨も入る。ユーミンの方が軽く歌っている。Hi-Fi Setのはちょっと重い。 「もうゆるしてくれたって いい頃だと思った」でもドアを開けたら誰かの赤い靴があった、という切ない失恋。こういうのを書かせたら、日本一だ。 8位 ジャコビニ彗星の日 これは何といっても、ジャコビニ彗星というのが歌詞になるというのがスゴイ。小さなオペラグラスでのぞいても見えなかったとか、72年10月9日とか、シベリアからも見えなかったとかいう事実が、歌になるということが、スゴイと思った。 7位 14番目の月 これも歌詞がいい。「次の月から欠ける満月より 14番目の月が一番好き」という発想が素晴らしい。もちろん、メロディもいい。イントロから一気に聞かせる。個人的にはこのアルバムがベストだと思う。松任谷正隆のキーボードも冴えている。 6位 埠頭を渡る風 よくコンサートの最後にこの曲をやっていた。今はライブというのか。 みんなでノリやすい曲なんだろう。間奏の最後に盛り上げておいて、Hooとメロディにつなげる女性コーラスが何ともいえず気持ちいい。 5位 NIGHT WALKER 83年の曲。曲の雰囲気と歌詞が合っていて、忘れられない。「ペーブメントは夜更けの通り雨…」で始まるサビの部分がとてもいい。ギターの音もよく合っている。自分の声で2声のコーラスをしているのだが、これが気持ちいいのだ。 4位 12月の雨 イントロが決まる。一度聞いたら忘れられない。結構凝ったコード進行なのだが、それを感じさせないメロディ。「時はいつの日にも 親切な友だち 過ぎていくきのうを 物語に変える」この歌詞は真実。74年のミスリムに入っている。いい曲だ。 3位 海を見ていた午後 ソーダ水の中を貨物船が通る…。山手のドルフィンは今でもあるのだろうか。 ユーミンはやっぱり失恋の歌がいい。 これもミスリムに入っている。荒井由実の歌。 2位 ひこうき雲 やっぱり、これは外せない。空に憧れて 空をかけてゆく…。 空をかけてゆく、というところのコード進行がきれいだ。 1位 最後の春休み 2位と1位は迷ったのだが、こちらを1位にした。 最後の春休み。この曲を聞くと、何とも言えない気持ちになる。 79年のユーミンの声が、最後の春休みを思い出させてくれる。 春休みのロッカー室に忘れたものをとりに行った…、でだしのメロディと歌詞がすべてを予感させる。 春というのんびりした季節だからこそ、切なくなるのだろう。 これだけ長いキャリアがあるユーミンだから、10人いたら10人とも違うベスト20になるだろう。 幸いにも、ぼくらはユーミンのデビューからリアルタイムで知っている。 だから、荒井由実の印象が強烈だったのか、その頃の曲が多くなった。 でも、ぼくが知らない隠れた名曲もあるだろう。 そういえば、「LAUNDRY-GATEの思い出」という曲もあったなあ…。 忘れているだけで、いくらでもいい曲はある。 年代が違えば、ベスト20も違うだろう。 ちなみに、40周年で出た「日本の恋とユーミンと」というベストアルバム(CD3枚組)の中にはこの20曲のうち、6曲しか入ってなかった。 最後に、なんでベスト20かというと、10曲では済まないからだ…。 |
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