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2015.08.11 Tuesday
死なな生きていかれへん
ぼくの同期の連中もどんどん定年していく。
大学院卒や遅生まれの一浪などはもう60歳を迎えている。 今日電話があって、今度飲み会をしよう、という話になった。 彼はもう定年を迎えて、この8月から延長雇用に入った。 もう退職金をもらって、会社に安い給料で雇ってもらう。 一応、嘱託社員という扱いだそうだ。 会社の内線電話からかかってきたので、ビックリした。 7年ほど離れていた、以前いた部署に戻っているとのこと。 「今会社からかけてんの?」 「そうや。みんなこわがって、近くに寄りつかん」 まあ、そうやろなあ。 ぼくが知っている頃の彼は、毒舌家だったから、みんな近づかないんだろう。 自分の2年下の若いやつ(といっても、年寄りだが)が、その部門の長をやっているとのこと。 「年金はいつからもらえるんや?」 「63歳やな」 さすがに、会社でオリエンテーションを受けているだけあって、よく知っている。 「そしたら、63までは働くんや」 「そやなあ。でも、65くらいで死ななあかん」 「なんでや」 「貯金もないし、退職金はちょうと家のローンでバランスしてるし、もう苦しいわなあ。65くらいで死なな生きていかれへん」 何とも微妙な表現だ。 「死なな生きていかれへん」 その後話していて、2回この言葉が出てきた。 毒舌家の彼らしいひと言。 高齢化、低成長、社会保障などの問題がこのひと言に凝縮されている。 死なな生きていかれへん… |
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