考えたこと2

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追悼 阿川弘之
阿川弘之が94歳で亡くなった。

海軍で出征し、海軍関係の小説をたくさん書いていた。
「軍艦長門の生涯」とか、「米内光政」、「井上成美」、「山本五十六」など30代に読んだおぼえがある。
ちょっと海軍びいきが過ぎた本だったかもしれないが、陸軍に比べると海軍は良識のある人が多かったんだと思う。
国を思うて何が悪い、という本も読んだなあ。この本は2008年に復刊している。
あひる飛びなさい、という本も持っている。

軍艦長門の歴史を描いたり、終戦時の宰相だった、米内光政を描いたり、開戦時のヒーローだった山本五十六を描いたり、あまり表には出なかったが海軍の知性派で、対米開戦反対だった井上成美を描いて、第二次大戦の歴史を小説で残してくれた。

海軍はイギリスに範をおき、自由な雰囲気だった、と書いていたと思う。

この人にも、第二次大戦のことをだいぶ教わった。

ユーモアは大事だ、という人だった。
書くことにもユーモアがあったと思う。
イギリス議会のやり取りや、吉田茂とマッカーサーのやり取りなど、ユーモアの重要性を講演で言っていた。

今は流行らないかもしれないが、こういう人の本を読めば、戦争のことがわかると思う。
戦争のことを伝えようとするのなら、文字で残されたものがたくさんあるのに。

どんどん戦争の語り部が減っていく、という人がいるが、文字の世界にはいくらでもある。
とっつきは難しいが、こういう小説は残していくべきだ。
こないだ、語り部が減ったから、語り部に聞いた人が語ろう、というようなことをやっていたが、そんなことをやるよりも、こういう本を読めば十分だ。

また1人、昭和の人が逝った。


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