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2015.08.26 Wednesday
ウソを見破る方法
アメリカ人は何でも研究対象にして、本当に研究する。
パメラ・メイヤーという人が、ウソについて研究した結果をTEDでプレゼンしている。 それによると… 「研究によると私たちは毎日10回から200回嘘をつかれています。嘘の多くは罪のないものです。別の研究では、初めて会う人同士は最初の10分で3回嘘をつくという結果も出ています」 どうやって研究したのかわからないが、そう言われると、そうかなと思う。 毎日10回から200回とは幅が広いが、それは付き合う人によって違うんだろう。 しかし、初めて会う人同士は最初の10分で3回ウソをつく、というのはホントかな…。 まあ、真偽はともあれ、ウソをつく人は、こういうテクニックを使う。 ・否定を強調するために、形式ばった表現を使う。 ・嘘の対象と距離を置く言葉を使う。 ・「率直に言って」など信憑性を高めるための修飾が多く見られる。 ・必要以上に細かいことを説明したがる。 わかっていても、してしまうところがミソ。 「独創的な嘘つきなどいない」らしい。 ビル・クリントンの浮気の事件から、例を挙げている。 あれは細かく調べられたから、事例の宝庫だろう。 そして、こういうところに注意すれば、ウソがわかるらしい。 ・言っていることと行動が一致しない。 ・笑っていても、目じりのシワが出にくい。 ・まばたきの様子が普段と違う。 ・相手との間にバッグなどで垣根をつくりたがる。 ・声のトーンが低くなる。 ウソをついているときは、相手の目をそらすということが言われているので、却って目を合わせる時間が長くなる、ということも言われている。 また、ウソをついているときは緊張しているから、笑っていても本気ではなかったり、まばたきがぎこちなかったりするだろう。 しかし、ぼくが面白いと思うのは、アメリカにはこういう事を研究する人がいる、ということだ。 日本の人文社会科学の人たちは、研究というと文献をあたり、自説を事例をあげて検証するというパターンが多い。 しかし、アメリカの人文社会科学者はケースを集めて観察し、統計的に扱おうとする人がいる、ということだ。 実験方法も考え(たいがい被験者は大学生だが)、グループ分けをして条件を変えて、同じことをやらせてみるというように、だいたいよくできている。 この研究もきっとそういう方法でやったんだろう。 ぼくは、どちらかというと、どういう実験をやったのかというところに興味を持ってしまう。 「嘘の傾向をまとめてみると、私たちは職場の同僚より見知らぬ人により嘘をつき、 外向型の人は内向型の人よりもより嘘をつく傾向が高いという。男性は他人のことより自分のことについて8倍嘘をつき、女性は他の人を守るためにより嘘をつく傾向にある。平均的な夫婦なら10回の会話で1回は嘘をつき、 独身なら3回に1回と増える」 これなども、傾向はもっともだし、よくわかるのだが、「平均的な夫婦なら10回の会話で1回はウソをつき、独身なら3回に1回と増える」という、この「数字」がどこから出てきたのかが知りたくなる。 とにかく、アメリカの人文社会科学者は、数字を大事にするということだ。 そういう態度が、人文社会科学にも必要だと思う。 TEDのプレゼンはこちら http://www.ted.com/talks/pamela_meyer_how_to_spot_a_liar 残念ながら字幕は英語だが…。 見ていると、そのうちコンピューターで表情や仕草を分析して、新しいうそ発見器が出来そうな気がする。 日本の学者も見習わないとイケナイと思う。 |
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