考えたこと2

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ぼくらは思っているほど自由ではない
脳を研究していると、その特徴がわかってくる。

ぼくらは自分で自由にいろんなことを決めていると思っているが、脳の制約を逃れられない。
脳が何かを決めるときには、何をよりどころにするのか。
それは比較であるらしい。

脳は絶対値で決めることは苦手である。

何かよりマシとか、あれより悪いとか、そんな決め方をする。
それが脳の得意な働き方らしい。
だから、知識や経験の量が多い方が決めやすい。
比較の対象が簡単に見つかるからだ。

脳は何かを決めるときには、それを何かと比較しているのだが、それを逆に使うのもまた得意だ。

同じ5足のストッキングを5人の被験者に渡し、これらの違いを述べてほしい、というような実験をやると、2は色が青っぽいとか、3はざらざらしているとか、4は素材が違うとか、そんな意見がどんどん出てくる。

同じものであっても、違いを見つけようとすると、脳はいろんな違いを作り出す。

そうして違いを見つけてしまう(正確には見つけたと錯覚する)。

脳科学が進んでいくと、生理的に避けることができない脳の働きがわかってくる。
わかってくると、ぼくらは思っているほど自由に生きていないということがわかる。
人間という制約の中で生きているということだ。

自由に考えているとぼくらは思っているが、実際にはそんなに自由ではなさそうだ。

自由とはいったい何なのか?

それを考えるときに、不自由という概念を必要とする、というのが脳の制約。

それはそうだろう。
全てのものから外れて、自由に考えるなどということはできない。
所詮、人間には枠組みが必要だ。

そう考えると、結構人間は不自由なものだと思う。

でも、それは昔からそうなのだ。


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