考えたこと2

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雇用の流動化
大学生と雇用の流動化の話をした。

学生は、雇用の流動化が起こるのもわかるし、それと同時に終身雇用制度もなくなっていくのもわかる、という意見。
でも、それによって、雇用不安が起こるのは好ましくない、ということを言う人が多い。

それは、確かに好ましくないのだが、雇用の流動化が起こって、もう潰れないといけない産業から、これから興ってくるであろう産業にスムースに労働力が動いていかないと、よけいに雇用不安が起こる、というのも事実。

戦前の石炭産業や、生糸などの繊維産業などが潰れていき、そこから労働力が重工業などに動いていったというのが昭和の歴史。そういうことをまた起こさないと(移っていく新産業を作ることが大事だが)、日本は落ち込む一方ということになる。

今、日本の家電業界で起こっていることは、その兆候だろう。
白物家電は高付加価値品しか日本で作れないし、スマートフォンやタブレットも海外勢のシェアが圧倒的だ。
その家電業界で働いている人たちを、スムースに移行する産業を育てないといけない。
そうしないと、よけいに雇用不安が起こる。

大きな目で見ると、社会にとって、雇用の流動化自体は悪いことではないとも言える。

ただ、それが個人にとってはよくない、という気持ちはわかるが…。

若者が3年で辞める、ということも言われているが、これは会社側にも本人にも問題があるだろう。
俗に言うミスマッチというやつ。

しかし、少なくとも会社は若者が入った当初は、早く会社の役に立てるように教育しているはずだ。
それがオン・ザ・ジョブであれ、オフ・ザ・ジョブであれ、トレーニングしない会社はない。
せっかく雇った人だから、有効に活用しないと人事は上から怒られる。
トレーニング中にミスマッチを起こしてしまうというのが、今多く起こっている問題だろう。

その問題を解決するのは難しい。

なぜなら、雇用の流動化が起こると同時に、仕事の持つ意味が変わってきたからだ。
昭和50年代は、仕事はしないといけないものだった。
選り好みなどしていられない。
働かない、という選択肢はなかった。
景気も良かったし、社会がそういう風にできていたのだろう。

しかし、今は働かないという選択肢もある。
雇用の流動化によって、働き方も選べる。
派遣、パート、アルバイト、契約社員、エリア社員、そしてニート…。
だから、会社に入るときには、「なぜこの仕事をしたいのか?」ということが問われる。
いわゆる志望動機というやつだ。

今の若い人たちは、なぜ、なぜ、なぜ、と問われて入社する。
そのために、やったこともない仕事について考えさされて、答えを用意しないといけない。
もともと、学生にはその仕事がやりたいかどうかなどわからない。
それを人事も知っているのだが、それでも志望動機を聞く。
お互いに不毛なことをやっている。

だから、入ってミスマッチが起きるのだろう。

自分はこんな仕事を望んでいない、というような気になる。

もともと、どんな仕事かわからなかったはずなのに、それを問われて、考えてしまった。

起こるべくして、ミスマッチが起こる。

そんなことが起こっているような気がする。


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