考えたこと2

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小6 小数が苦手
こないだ、読売新聞の記事に、「小6 小数が苦手」という記事が出た。

それによると、小学校6年生の半数近くが、小学校5年までに学ぶ「少数のかけ算・割り算」の意味を理解していないとみられる、ということだ。

2007年度から2010年度までの4回のテストの結果を比較調査してわかったとのこと。

問題はこういうやつ。

下にあげた4つの式で、□は0でない同じ数を表しています。
計算の答えが□の表す数より大きくなるものを、下の?から?までの中から全て選んで、その番号を書き入れましょう。

? □X1.2
? □X0.7
? □÷1.3
? □÷0.8

この問題の正答率が45.3%だった、ということらしい。

答えは?と?だが、問題の書き方がややこしいのは事実。
意味がよくわからない、ということで、間違えた小学生もいるのではないか。

でも、算数をやる、ということは、こういう抽象的な問題を考えるためだ。
世の中のどこにも、1はない。
もちろん、2も3もない。
数字は頭の中にあるだけだ。
算数、数学というのは、頭の中だけで作られた学問。
それをがりがりやる意味は、抽象的な考えを身につけること。

実際、この問題が半分以下の正答率、というのは驚異的な数字ではないか。

しかし、文科省はもっと大事なことを忘れている。
小学校6年でわからなかった¥この計算を、大学までわからずに、中学も、高校も卒業する生徒がいる、ということだ。

もちろん、小学校で計算ドリルをアホほどやらせて、身につけることは大事。
しかし、そこでも落ちこぼれた生徒を中学、高校で救うという事も考えなくてはいけない。

算数ができない、ということは、抽象化ができない、ということであり、それは手に触れるもの以外の意味はわからない、ということに通じる。
たとえば、世界平和とか、天下国家とか、税と社会保障の一体改革とか…。
大学で扱う、ほとんどのものは答えのない抽象的な問題。
それを考えられる尺度というのは、もちろん国語力もあるが、算数も寄与していると思う。

結局、そのツケを大学が払わされているのだと思う。

今、全国の大学で、この問題をテストしたら、どうなるのだろう。



| | 考えたこと | 21:37 | comments(0) | trackbacks(0) |
ABC予想
京大の望月教授という人がABC予想という問題の解決をした可能性がある、ということらしい。

ABC予想という言葉すら知らなかったが、これが解決すると、フェルマーの最終定理も証明できるらしい。(もう証明されているが…)

望月教授はプリンストン大の数学科を19歳で卒業!して、23歳!でプリンストンの数学博士を取って、32歳で京大の数理解析研究所の教授に就任した、とのこと。

アメリカの大学は19歳でも卒業できるのか。
そして、23歳で博士になれるのか。
よっぽどスゴイ天才なのだろう。
よく日本に帰ってきてくれたことだ。

ニュースから引用すると、「ABC予想は1985年に欧州の数学者らによって提唱された。AとBの2つの整数とこれらを足してできる新たな整数Cを考え、それぞれの素因数について成り立つ関係を分析した理論で、整数の方程式の解析では「最も重要な未解決の問題」とも言われる。

英科学誌ネイチャーによると、望月教授はまだほとんどの数学者が理解できていないような新たな数学的手法を開発し、それを駆使して証明を展開している。そのため「論文の正しさを判定する査読に時間がかかるだろう」という。一方で望月教授は過去に優れた実績を残しており、「証明は間違いないのでは」とする数学者のコメントも引用した。

望月教授が開発した手法は将来、この予想以外の整数論の問題を解く強力な道具になるとも期待されている。」ということらしい。

この、「まだほとんどの数学者が理解できていないような新たな数学的手法」というのがすばらしい(と思う)。
果たして、この人の天才を日本の大学が育てられただろうか…、と思うのはぼくだけか。

望月教授のホームページを見たが、何のことやらわからない。
研究テーマは「双曲的代数曲線の数論」ということらしい。

ABC予想という簡単そうな名前に対して、「双曲的代数曲線の数論」という言葉が対応する。
ホームページには宇宙際幾何学者と書いてあった。
この宇宙際、というのは英語では「Inter-universal」と訳されていた。

こういうことをわかりやすく説明するのは至難の業だ。
もともと、難しいことをやっているのだから、簡単に言え、と言われてもできないだろう。

でも、早くそういうことができる数学ライターが現れて、高校程度の数学の知識があればわかるように説明してくれないか…。

それがわかったから、どうというものではない。
でも、それがわからなかったら、少し寂しい。

何年かかけて、正しいと証明されたら、そんな本を誰か出してくれないか…。


| | 考えたこと | 00:14 | comments(1) | trackbacks(0) |