考えたこと2

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経験
年をとると、年令について考えさせられることが多くなる。

自分の経験や知識がどんどん普通でなくなるのだ。
十年以上前に、若い人がクレージーキャッツを知らないことに驚いた。
当然、知っていると思っていたら知らないという。

それもそうか。
正式には解散していないが、1970年代になって、ほとんどクレージーキャッツとしては活動していない。
したがって、リアルタイムで知っているのは、少なくとも今40代の人ということか。
ついつい、自分が知っていることは、みんなが知っていて当然という気になる。
ある時までは、実際にそうだったからだ。

世の中の出来事を覚えているというと、まあ10歳くらいか。
20歳の時は、自分が世の中について知っていることは、みんなが知っていると言っていい。
「学生運動」「内ゲバ」などの言葉は、ぼくが20歳当時、みんなが知っていた。
でも、40歳になると、30歳以下の人は、リアルタイムでそれらを知らない。
今54歳になって、それらの言葉を知っているのは、せいぜい40代後半以降だろう。

そういう意味で通じない言葉が増えていく。

別にそれを知らないから困るというものではない。
しかし、困らないかといわれると、ちょっと困るという気もする。

第二次大戦で戦った国は、ドイツとイタリアだという若い人がいる。
それは間違いだが、いくら日本史を習っていないからといって、そんな間違いをするだろうか。
いったい、原爆はどこが落としたというのだろう。
そんなことに意識があれば、第二次大戦は少なくともアメリカを敵としてやったということはわかるだろう。

話がそれた。

どんどん、自分の経験したことが少数派になっていく。

常に新しいことを吸収し、ついていければいいのだろうが、そうはなかなかうまくいかない。
ツイッターの事を長男から聞くが、意味がわからない。
自分でもIDをつくって、やってみたらいいのだが、そんな必要性を感じない。

好奇心が薄れていく。

こうやって、年を取っていくのだろう。

| | 考えたこと | 23:18 | comments(0) | trackbacks(0) |
一時代の終焉
昭和44年、水戸黄門が始まった。
そして、今の放送で終わるらしい。

昔、助さん、格さんをやっていた俳優が、今や水戸黄門をやっているのだから、時代を感じる。

今から42年前。
ほぼ半世紀の歴史がある。
ちょうどカラーテレビがぼくらの家に来た頃。
モノクロテレビの普及率が94.7%、カラーテレビの普及率が13.9%という数字。

この番組をはじめ、時代劇が花盛りの時代だった。
今のような「バラエティ」というジャンルすらなかった頃。
アメリカのドラマを日本のテレビ局が買って、放送していた頃でもある。
今よりは、真面目にテレビ番組を作っていた。

この水戸黄門は番組開始から40分経つと、大団円と決まっている。
悪人に取り囲まれ、助さん格さんが暴れ、黄門様が「もういいでしょう」と制し、そこで印籠が出てきて、種明かしとなる。

このパターン、海外にあるのかどうかわからないが、日本人の琴線に触れたからこれだけ続いたのだろう。
偉い人が身分を隠し、悪事をあばき、最後は身分を明かして悪人一味に頭を下げさせる。

同じようなパターンで、遠山の金さんというのもあった。
これも似たようなもの。
遠山金四郎という南町奉行が、遊び人の格好をして悪事を暴き、最後は奉行に戻りお白州で顔を合わせ、悪人を懲らしめる。

どちらも、偉い人が身分を隠して、旅の商人やまちの遊び人という格好をするところがいいのだろう。

ただ、時代とともに飽きられてきた。
というか、そういうシチュエーションを好んだ世代が、テレビを見なくなったということかもしれない。

二つの番組に共通するのは、絶対的な権威というモノ。
それが最後は悪を懲らしめる。
水戸のご老公であったり、南町奉行であったり、当時の絶対権力だった。
そういうものが、今はなくなったというのも、関係しているのかもしれない。
警察といえど、信用できない。
政治家はもっと信用できない。
そんな不幸の時代の投影かもしれない。

世の中から、絶対的な権威が失われていった結果、水戸黄門が終わる。

これは、世の中にとって、いいことなのか…。


| | 考えたこと | 01:40 | comments(0) | trackbacks(0) |