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2008.10.11 Saturday
記憶
こないだ書いた、「物理学的人生論」が届いたので、早速読んだ。
もう35年くらい前に読んだ本。 当時の物理の最先端のことが書いてあって、その研究者から見た宗教や超常現象、心や脳といった人間の意識についてわかりやすく書かれていた。 ぼくがすごく印象に残っている「所詮は人間の心というようなものも、煎じ詰めると体内の化学変化だ」というような意味のことは書いてあったが、そんなにハッキリと書いてあるわけではない。 おかしいなあ…。 1965年当時、まだ新しい話題だったDNAについてはかなりのページを割いている。 分子生物学というような領域で、今まで生物学だったものが、物理学の領域に入ってきたという時代だったからだろう。 ただ、記憶では「物理学的人生論」にDNAのことが書いてあったという覚えがない。 でも、究極的には宇宙にあるのはエネルギーであり、そのエネルギーが物質にカタチを変え、心や意識というものも生み出しているということは書いてあった。 印象に残っている内容は書いてはあったが、それにもっと多くのページを割いていたような気がする。 自分の記憶の曖昧さにちょっと驚いた。 当時、自分が感心したところだけ、覚えていたのか。 35年ほどの時間を経て、もう一度同じ本を読むというのもなかなか面白い。 猪木正文という人、すごい人だ。 物理学は進歩していくが、その元にある「なぜそれがあるのか」という問いには進歩はない。 いつまでも古くて新しい問い。 それを正面から書いた本だと思う。 |
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