考えたこと2

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病気の効用
脊柱菅狭窄症になって、一つ良かったことがある。
病気で歩けない人の気持ちがわかったことだ。

人間にはいくら知識があっても、経験しないとわからないことがある。
坐骨神経が痛い、というのは経験してみないとわからないのだ。

今まではそんな人が世の中にたくさんいる、ということも知らなかった。
脊柱管狭窄症という病気は、高齢になって筋力が落ちてくると起こりやすい。
人間にとって、二足歩行することは首や腰に負担がかかるから、仕方がないのだろう。

街を歩いていても、すごくゆっくり歩いていたり、急に立ち止まったりする高齢者がいる。
今までは、急いでいるのにジャマだなどと思っていたが、この病気になったことでその気持ちがわかった。
早く歩けないとか、痛くて立ち止まらざるを得ないのだ。

母がまだ元気だったころ、動作がのろくなったから、自分の後ろに列ができるのがいやだ、と言っていたのを思い出す。
そういうことが原因で、だんだんと外に出なくなった。
母は病気ではなかったが、自分が世間のお荷物になってしまうのが嫌だったのだ。

ぼくも最近通勤で歩いていて、痛くて立ち止まったり、電車に乗って高齢者席に座るときに思う。
自分は社会のお荷物になっている。
今はまだ仕事をしているが、もう数年して仕事がなくなったときには苦しいだろうなあ。
人生をエンジョイする、などという気持ちになれるだろうか。

昔は平均寿命が短かったから、そんなに高齢化が原因となる病気はなかった。
それが長寿命化に伴って、どんどん増えてきた。
ぼくはもともと若いころに腰を痛めていたから、早くかかったが、高齢化がこの病気の主因であることには違いはない。
手術待ちに3か月かかるというのが通常だという。
いずれ、高齢者は死に絶え、病気の数は減るのだから、むやみに手術を増やす体制を作っても仕方ないのだ。

でも、同じような病気を持つ人に対して、寛容になれたのは病気の効用だ。

高齢者には高齢者の悩みがある。



| hdsnght1957kgkt | 考えたこと | 23:37 | comments(0) | trackbacks(0) |