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2023.05.22 Monday
IT担当役員
木村岳史という日経コンピューターの記者がいる。
この人の極限暴論という連載を時々見ることがあるのだが、この人がツイッターに書いていた。 「新任のIT部長が腹をくくって、大炎上していたシステム刷新プロジェクトの中止を社長らに進言した。 「大金を投じたのに、何とかならんのか」と言われたが、無理との判断は変わらない。そして「原因は何だ」と聞かれた際「社長や役員が無関心だったからです」と言い切ったそうだ。 その人はCIOに昇進した」 「社長や役員が無関心」、これはぼくが前の会社でやったITがらみのプロジェクトの時にも思ったことだ。 たかだか3000万くらいのプロジェクトだった。 もう20年以上も前になる。 紙の図面をどうするかというプロジェクトだった。 増え続ける紙をそのまま管理できるわけがない。 どこかの時点で電子化しなければいけないのは、場所の問題を考えても、手間の問題を考えても、アタリマエだったと思う。 それを実際にやるのには、役員にプレゼンして許可をもらわないといけない。 これだけの手間をかけてやっているのだが、電子化によって便利になります、ではもちろんダメ。 コストを比較して、さらに時間を比較し、「便利」を数値化しないといけない。 ただ、そのプロジェクトをやるときに、すでに同種のシステムを導入しているという会社に見学に行かせてもらった。 同じメーカーだが、IT関連の機器を作っていたので、トップや役員がITに詳しかったのが大きな違い。 話を聞くと、導入に対する決断は早かったという。 やっぱり、知っているか知らないかは、大きな違い。 同じことでも、簡単に説明してOKが出る。 見込みで話しても、それはそうだろう、と決断できる。 IT化は初期投資が大きいが、それを人件費や開発期間短縮で取り返していくというものだ。 そこがツーカーでいくのか、それとも全くわからないかの差は大きい。 ITは時間を買う部分があって、スピードも大事なのだ。 昔阪神の江本が「上がアホやから野球ができへん」と言ったというが、まさにそうだった。 このツイートのIT部長は、ちゃんと上が言われたことを理解して、昇進できて良かったと思う。 でも、ぼくの元の会社では今だにIT担当の役員はいない。 これではダメだろうと思う。 |
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