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2018.05.15 Tuesday
笑福亭仁智
上方落語協会の会長に笑福亭仁智が選ばれた。
桂文枝(もとの桂三枝)が8期15年やった後を任される形。 会員の選挙で決まる会長だから、本当に支持されたということだ。 桂文枝の功績は、関西になかった落語の定席を天満に作り、この夏には新開地に2つ目ができることだろう。 この功績は大きいと思う。 でも、記事によると、「体制の刷新を望む中堅・若手の支持を集めたとみられる」とのこと。 桂文枝は人気があり、上方の新作落語主体の落語家。 彼が15年やって、定席を2つ作ったことは大きいと思う。 それでも、若手の落語家はいきづまりを感じているということか。 笑福亭仁智は、上方落語の大御所、米朝、春団治、文枝、松鶴や、それを継いだ中堅の仁鶴や枝雀の次の世代にあたる。 最初は古典をやっていたが、99年から新作に転じていた。 会長になったということで、Youtubeで仁智の落語を聞いてみたら、これが面白い。 眠れない時に米朝や枝雀の落語を聞くが、声を出して笑うことはまずない。 仁智の新作は、やたら面白い。 これなら、若い人でも笑うだろう。 今のテンポの早い漫才に対抗して、落語で笑いを取ろうとすると、新作をやるしかない。 年寄りを相手にするのなら、話は違うが…。 古典落語は、もう話がわからないものが増えた。 芝居の話は元を知らないからわからないし、お茶屋や幇間などの言葉もわからない。 ぼくは落研だったから、大概の噺は意味がわかるが、若い人たちはもうムリだろう。 古典の噺で笑いを取るのは難しい。 古典落語ももともとは新作落語だったのだから、時代の流れだ。 これだけ時代が進むと、時代背景についていけなくなる。 昭和40年代に仁鶴がバカ売れしたことから、上方落語が復活して、枝雀が人気を博し、コンスタントに上方落語が売れる時代になった。 それでも平成になって、ちょっと苦しいという感じだろう。 若手はそういう事を感じている。 だから、仁智なのだろう。 上方に新作落語を根付かせた桂文枝はエラかった。 笑福亭仁智も頑張ってほしい。 |
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