考えたこと2

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私学の財政支援
こないだ、女子大の学長が、「文科省はもっと私学に支援すべきだ」という事を日経に書いていた。
この種の意見はよく出る。
いつも引き合いに出されるのは国立大に比べて私学の支援が少ないというもの。

しかし、一方で志願者を増やすためだけに推薦入試やAO入試をたくさんやって、高校生のレベルダウンを招いているのもまたそういう私学なのだ。
調べてみると昭和女子大は偏差値47.5〜52.5。ちょうど真ん中あたり。
その偏差値でも、推薦入試とAO入試で入学した人数が2016年度の入試で629人。
入学者全体で1167名だから、半分以上が推薦・AOで入っている。
この学長は自身の大学が、志願者を集めるためにそういう入試をやっていることを認識しているんだろうか。

本気で、推薦入試でちゃんとレベルが確保された学生が来ていると思っているんだろうか。
本気で、AO入試でやる気のある、学力レベルも担保された学生が入っていると思っているんだろうか。
本気で、アドミッション・オフィスを置いて、選抜をしていると思っているんだろうか。

その結果、高校の進路指導の教員でも指導が困難というくらい、入試の時期、回数、種類が増えて、高校生もどこを受けていいかわからず、進路が決めにくくなっていることをわかっているんだろうか。
その結果、入学生が2極化し、ひいては一般入試を避ける学生が増え、日本の高校生のレベルが下がっている、という実態をわかっているんだろうか。

この学長、「学生ファーストの視点で」と言っているが、そんなことをやることが学生ファーストだと思っているんだろうか。

記事の中に、「90年以降に設置され学生数の増加を担ってきた新設私立大学は相対的に低所得層出身や地方の学生が多く、彼らが高い授業料を負担している。しかし、それらの大学は「先生に質問したり、勉強の仕方を相談している」「理解されやすいように教え方が工夫されている」など教員との関係も深く、アクティブ・ラーニング(能動的な学習)なども比較的よく行われている。」と書かれているが、それは自分たちが落とした高校生の学力レベルを補うためにやっている、ということに気づいていないんだろうか。

こういうのをマッチポンプという。
自ら火をつけておいて、火事だから消さないといけない、というやつだ。
これを自己変革などという言葉で言ってほしくない。

本気で学生ファーストというのなら、そういう学生たちが何を求めているのか、もっと真剣に考えるべきだ。
アメリカのカレッジがやっているように、もっと実学を教えるべきなのだ。
でも、それをやるためには大幅に教授陣を入れ替えないといけない。
自分の首が危うくなることはやらず、金だけほしいと言っている。

いい加減にそういう議論はやめ、本気で日本の教育をレベルUPするにはどうしたらいいか、考えたほうがいい。
高校以下のレベルを上げるには、もっと小学校をちゃんとすべきなのは明らかだと思う。
大学にカネを使うのはその後だろう。

「三つ子の魂百まで」というではないか。



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