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2017.02.19 Sunday
山桜
今まで邦画はほとんど見なかった。
見るといったら、アニメかよほど話題になったものくらいだ。 こないだ「三屋清左衛門残日録」というドラマのことを書いたが、最近、藤沢周平の作品のドラマを見るようになった。 こないだやっていた映画「山桜」というのも藤沢周平だったから、録画して見た。 田中麗奈という女優がヒロインをやっている。 不幸な結婚をして、苦労するというおなじみの役。 映画はほとんどヒロインの姿を映す。 ヒーローは東山紀之。 最近は大岡越前などやっていて、それを見ているともう一つだったのだが、この映画ではなかなかよかった。 その原因は、一本の映画を通じてセリフがほとんどなかったからだ。 喋ると、イメージがちょっと変わるのかもしれない。 こんなヒーローは珍しい。 百姓の取り立てが厳しく、年貢が払えなくなった田畑を手に入れ、私腹を肥やすという絵に描いたような悪者が出てくる。 その悪者に対して、一人で立ち向かい、斬る。 無言で牢に入り、沙汰を待つという剣の達人を演じた。 昭和のタイプのヒーローだ。 そういえばあの頃「男は黙って…」という宣伝も流行った。 この映画をいい映画にしているのは、出番も少なく、セリフもほとんどないが、それ故に重みがあるこのヒーローだと思う。 山桜の清々しい花が、それを表しているようだった。 |
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