考えたこと2

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宮内シニアチェアマンの言葉
オリックスの宮内シニアチェアマンが、「遺言 日本の未来へ」という日経ビジネスの特集記事に絡んでこんなことを書いている。

『「公徳心とか公共の利益を教育すべき」なんて言うと政治問題化しますけど、それは政治問題じゃなくて社会教育の基礎だと思うんですよね。やはり明示的に教育した方がいいように思います。社会が成り立つためには「権利を主張しなさい、その代わりあなたには義務がありますよ」と。両方ないと社会は成り立たないのですから。戦後70年もたって権利、権利と言っているのではいけない。義務は果たさないといけないんです。
 社会は1人ひとりでは成り立たない。だからみんなで成り立つようにしないといけないはずです。でも日本人はどこか、「公共」は「官」の役割で、官以外の「私」は、徹底して私欲を追求していく存在だと思っているように感じます。これは戦後教育の間違いじゃないでしょうか。』

これには100%賛成。

宮内氏は1935年生まれで、戦前の教育と、敗戦後すぐの教育を受けた。
一夜にして、先生の言うことが変わったという経験をしている。
たしかに、戦後の日本はそれまでの明治憲法の精神を捨て、アメリカ型の民主主義の理想を実現しようとして、それまで認められていなかった国民の権利をうたった新憲法を作った。
アメリカ主導で作ったと言われているが、結局は日本政府が認め、国民はみんな喜んだと思う。
でも、それが70年経って、おかしくなってしまった。

何かあれば、責任者を追求する。
それ自体は悪いことではないのだが、その前に考えるべきことがあると思う。
「自分」はどう関わるのかということだ。
それを考えたら、そんなに一方的に責めることはできないだろう。

いい加減な責任者もいるのは事実。
大津のいじめ事件の教育現場など、まさにそうだ。
それでも、関係者一人ひとりが自分のこととして考え、行動を起こしていれば、もっと違う結果もあったはずだと思いたい。

宮内氏は「戦後教育の間違い」と言っているが、まさにその通りだと思う。
でも、それを、教育関係者だけを責めるのではなく、国民みんながもう一度この国の教育を作りなおすくらいのことをやらないといけないのだと思う。
それが必要な時期だろう。

宮内氏も記事の最後で言っている。

『私は今、若い人がなぜ黙っているのかわかりません。この国には1000兆円もの借金があるんですよ。とんでもない話です。昨年末の選挙でも財政は主たるテーマになりませんでしたが、これは借金を背負うことになる若い人が、なめられているということですよ。
 こういうことをじいさんが言うのも変な話ですけど、若者が怒らないのはおかしい。若者が現状に対して不満を言わないというのは、社会が停滞している証拠ではないでしょうか。若い人にパワーを感じないから、“遺言”をと言われても、「残す値打ちがあるかな」と(笑)。若者には自分たちが新しい社会をつくるんだという、覇気が欲しいです。やる気のある人にはいろいろとお伝えしたいですね。そんな若者が増えることを期待しています。』

ぼくも、若い人たちに「これがイギリスやったら暴動起こってるで」と言い続けてきた。
それでも、選挙に行かない若い人たち。

諦めているのかもしれないが…。



| | 考えたこと | 23:50 | comments(0) | trackbacks(0) |
いぬのきもち
今日ネットを見ていたら、上の方に宣伝があって、それに目が止まった。

「いぬのきもち」というイヌの教育の本。
ベネッセがやっている。
ベネッセというと、子供向けの赤ペン先生が有名。今や少子化で多角化をしている。
ダイレクトメールの情報漏えいで有名になったが、そこが子供の次はペットという戦略をとっていたのか。

小学生の赤ペン先生から上に市場を伸ばしていったのが、高校受験、大学受験という方向。
下に伸ばしていったのが、「ひよこくらぶ」とか「たまごくらぶ」という生まれる前から捕まえるという方向。
こういう雑誌があるのは知っていたが、ペットとは思わなかった。

たしかに、少子高齢化で何が起こるかというと、ペットの増加。
今や15歳未満の子供の数よりもはるかに多くなった。
そこに目をつけたのが「いぬのきもち」「ねこのきもち」という雑誌。
すごい多角化だ。

「ベネッセグループは「Benesse=よく生きる」を企業理念とし、教育、介護の領域を中心に事業展開しています。」ということだ。

「教育、介護の領域」にペットが入るのはちょっと苦しいので、そのうちこの文言は変えるかもしれないなあ。
まあ、「しつけ」というキーワードでくくれば、教育分野と言えないこともないが…。

「いぬのきもち」のホームページを見ると、いろんなことが書いてある。

吠えぐせが直らない、ひっぱりグセ、トイレそそう、噛みグセなどの悩みを解決してくれて、読者のうれしい声も届いている。
イヌのおもちゃも付録で付いてくるし、専門家への電話相談もできるなど、充実した内容。
そして、値段も年間一括購読で12216円。結構高い。
月刊誌で一冊1000円か…。

「ねこのきもち」は事例が、関係づくり、困った解決、お手入れ、健康というところ。
やっぱりイヌとネコはだいぶ違う。
こちらも値段は同じだ。

GDPが上がるのにしたがって、ペットの数も増えてきた。
それにともなって、家の中で飼う人が増え、人間とペットの距離も近くなった。
以前は番犬として家の外にいたが、今や家族の一員として家の中にいる。
改正ペット法も施行され、売る方も飼う(買う)方も、責任強化された。

「いぬのきもち」はマーケティングとしては、正解だろう。
売り上げを見てみると、いぬが13万部、ねこが10万部という数字。
23万部だから、27億6000万円くらいの売り上げか…。
この手の雑誌は半分以上が通販のような気がする。

ペットの時代だなあ。

イヌの飼育数、1153万匹、ネコは974万匹、合わせると2000万を超え、日本の15歳未満の人口1649万人をはるかに上回るという事実。

そのうち、獣医も小児科、成人科、老年科に別れて病院になったりするかもしれない。

ひょっとしたらと思って調べたら、もうペットの医療保険があった。
見積もりができるので、2歳の中型犬でやってみると、100%補償で年間3万5千円になった。
ねこはちょっと安くて、3万円ほど。

すごい時代だ。
ペットも家族の時代。
そう思ってお金を払う人たちは、どちらかというと年齢の高い人で、お金がある人だろう。
ものを言わないペットたちは、何を望んでいるのだろうか。

これからは多死社会。
どうやって死んでいくのかを人間も考えないといけない時期だろう。

なんかちょっと複雑になってしまう。


| | 考えたこと | 00:12 | comments(0) | trackbacks(0) |