考えたこと2

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2018年問題
大学の2018年問題の記事があった。

それによると、「18歳人口はしばらく横ばいで推移した後、18年度(118万人)から再び減少に転じ、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計では31年度には99万人と、ついに100万人を切る。あくまで予測だが、10年余りで約20万人も減るというのだ。」とのこと。

ピーク時(1992年)には205万人いた18歳人口が半分以下になる。
これは大変なことだ。
18歳人口というのは、大学に入る入学者の数の基礎と言ってもいい。
このだいたい半分強が、大学、短大、専門学校の入学者になる。
要は、その人数が2018年にドンと減るということ。
高等教育の市場は縮小する。

ところが、この間大学の数は増えている。
私学の数でみると、ピークの1992年に384校あったのが、2002年には500を越えて、今年度は603校になった。
市場は小さくなるのに、参入者は多いのだ。
短期大学から大学に変更というのも多いのだが、高校まで持っている学校法人が大学を作る、というのもある。
新しく作るところは、自信を持って作るのだろう。それでなければ作れない。
それでも、文科省の発表によると、学部を作った初年度に定員割れというところも多い。
いい加減な学校法人も多く、予測が正しくないのだ。
だから、設置基準を厳しくしようという動きになっている。
最近はとにかく看護、という状況。
看護さえ作れば、受験生は来る、ということらしい。
これが危ないのは、こないだも書いた

現在、私学の4割以上が定員割れの状態だが、それに拍車がかかる。
今までは、進学率が上がって何とかなってきた面もあったが、その神通力も危ない。
記事には「進学率50%として10万人、1大学の入学定員を1000人とすれば、実に100大学分の入学者が消えることを意味します」とも書いてあった。

2018年というと、今の中学2年生が入学する時になる。
あと4年、いや3年半。
ここが生き残りをかけた大学の知恵の見せ所になる…と言いたいところなのだが、有効打は看護しかないようだ。

これからの社会保障や医療制度を考えたら、そんなにたくさん看護婦をおけないことは明白だと思うのだが…。

当然、地域でいうと、人口が少ない地域の大学は苦しいだろう。
秋田国際大のように、成功している例もあるが…。

それと、経済的な問題もある。
NHKのニュースでは「大学や短大などを中退した若者は1年間に7万9000人余りに上り、「経済的理由」で中退する人が最も多くなっていることが、文部科学省が5年ぶりに行った調査で分かりました。」と報道されている。

ぼくは日本の教育の一番の問題は、義務教育の劣化だと思うが、大学もひどい。

経済的に苦しいから、バイトばかりする学生が増える。
それでも、4年で卒業できてしまう大学は、ダメだろう。
勉強よりもバイトの方がやりがいがある、ということだし、それでも卒業出来てしまうというシステムになっているからだ。

これでは、グローバル化、IT化が進んだ社会を生きていけない。
だから、正社員での就職が苦しくなる。
4年間大学に行ってバイトをするのなら、企業も採れない。

この流れを何とかしないといけないと思う。
そうなると、社会保障をやめて、教育に、ということになるのだろう。
果たして、それができるのか…。

この記事はこう締めくくっている。

「河合塾勤務の経験がある教育ジャーナリストの後藤健夫さんは事の本質を次のように喝破する。「分数がわからないなど義務教育を終えていないような学生もいる現在の大学を、本当の意味での高等教育の場に戻せるかどうか。高等の名に値しないような大学はつぶれても仕方がない」
 大学生の学力低下は、少子化で短大を含めた入学者数が志願者とほぼ同じになる「全入時代」のマイナス面と指摘されている。関西の私大を取材した際、ある教授がつぶやいた言葉が忘れられない。「大学はワンダーランド(不思議な国)になってしまった。大学に入学しながら何をしていいのか分からない学生が増えた。図書館の使い方を知らず、勉強もしない」。学部数の少ない地方の国公立大だって安閑としてはいられない。」

その通りだと思う。


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