![]() |
2014.04.28 Monday
奨学金
今朝、学生支援機構の奨学金が返せない若者が増えている、という話をニュースでやっていた。
そんなことはまともな大学関係者ならみんな知っている。 知らない奴はよほど教育に興味のない人間だろう。 今の第二種奨学金というのは、昔の奨学金と違って利子がつくことも知っているし、新入生のオリエンテーションでなるべく借りないように、という指導をしていることも知っている。 奨学金は自分の銀行口座を開かないと借りることができない。 自分が負うべき借金だからだ。 でも、親がついてきて、コンピューターの画面を見ながら指図をしている風景もあった。 今はコンピューターの画面上でクリックするだけで4年間のローンが借りられる時代。 しかし、いくら言葉を尽くして説明しても、目の前にお金をぶら下げられたら借りてしまうのが人情。 彼らは借りることをイメージできても、20年間毎月数万円を返すことをイメージできない。 高校卒業時に奨学金の予約をしてくる学生もいる。 高校の進路指導の先生は、就職を探すのが面倒だから、本来なら就職したほうがいい学生を進学させてしまう(人もいる)。 大学が全入になって、選ばなければどこかに入れる状況になっているからだ。 親が高卒で就職させたいと思っていても、高校の先生が「奨学金があるから」と大学に行くことを勧める例もあるという。 奨学金は一部の大学の支援金になっているのだ。 高校で就職できないレベルの学生が大学を出て就職できるようになるだろうか。 もちろん、そういう教育システムを持っていて、育てることができる大学ならできるだろう。 残念ながら、そんな大学はほとんどない。 今の大学の先生はそんな学生を育てる術を持っていない。 だから、学生の支援ではなく大学の経営のための支援になる。 学生にとっては、4年間を(全くとは言わないが)無駄に過ごし、出る時に就職できなくなり、その上20年間の借金を背負い、そしてブラックリストに載ることになる。 当然、大卒の求人だから、高卒より高度なことを求められる。 気の毒な話だ。 高卒で4年間働いたら、いくらなんでも年収200万程度は稼げる。 4年で800万だ。 大学に進学したら、授業料を100万として、逆に400万の出費になる。 それを奨学金にすると、金利がついて500万以上。月に2万以上を20年返すことになる。 今は滞納が続くとすぐに取り立て屋に丸投げするので、会社に電話がかかってきたりすることになる。 そして、ブラックリストに載り、カードも作れないし、ローンも組めない。 これは一部は緩和されようとしているが…。 学生支援機構というのが、学生支援をしているのか、それとも機構の存続のために仕事をしているのか、疑問に思う。 きっとたくさん文科省から天下っているのだろう。 そして、大学を出ても正規の職にありつけるかどうか、わからない。 労働者全体で、非正規労働者が半分近くいるのが現状だ。 そんな状態だから、借金を返せるわけがない若者が増えるのは当然だ。 彼らは悪くない。 この環境を作ったのはオトナだからだ。 国の無駄遣いをやめて、もう少し彼らのことを真剣に考えてあげないと、どんどん若者の貧困化は進むだろう。 この国は、若い人たちを犠牲にして、年寄りが食っていこうとしている。 「借りたカネを返さない若者は怠け者か時代の犠牲者か」という記事があるので、興味がある人は見てほしい。 |
![]() |