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2009.02.12 Thursday
長谷川平蔵
鬼平犯科帳を読んでいる。
もう19巻まで来た。 毎晩読みながら寝る。 池波正太郎のライフワークの一つ。 それにしても、面白い。 鬼平こと長谷川平蔵と、火付盗賊改方の同心たち、鬼平の昔なじみの剣客、そして、密偵たち。 密偵というのは、もと盗賊で、平蔵がみどころがあると思ったものを逆に味方にしたもの。 言葉は悪いが、「狗(いぬ)」とも呼ばれる。 この密偵たちと、平蔵の心が通うところがこのシリーズの一つのテーマ。 平蔵は盗みはしても、盗人の3箇条を守るやつは信用する。 一、盗まれて難儀するものへは、手を出さぬこと。 一、つとめ(盗み)するとき、人を殺傷せぬこと。 一、女を手ごめにせぬこと。 密偵となる盗人はいずれもこの3箇条を守ったものばかりだ。 その上、平蔵を慕い、平蔵のためなら死んでもいいと思っている。 その関わりの中で、何人かの密偵が命を落とす。 そこに義理があり、浮き世の厳しさがある。 やむにやまれぬ事情があるのだ。 秘密は自分の胸に抱いたまま、密偵としての役目を果たして命を落とす。 それが泣かせる。 このシリーズ、火付盗賊改方だけでは、面白さは半減するだろう。 時にはポケットマネーを出して、密偵の働きをねぎらい、場合によっては同心以上に感謝する。 そんな平蔵と密偵の関係が魅力なのだ。 長谷川平蔵、江戸のハードボイルド。 この人の部下なら、喜んで働ける。 |
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