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2023.04.28 Friday
新卒一括採用の勘違い
こないだ中国の文系の留学生が、日本では新卒一括採用のおかげで、文系でもIT系に行ける、ということを言っていた。
それは間違いで、日本ではIT系の人数が足りていないから、文系でもIT系の会社に入れるというのが事実、と伝えた。 一応IT系の人事の人達は、文系でもOKと行っているが、本当はその分野を学習した人が欲しいのだろう。 実際はIT系の教育機関を卒業する人の数が足りていないから、文系を取っている、というのが事実に近いと思う。 中国では文系を卒業して、IT系の会社には行けないと言っていた。 このあたりが日本のITの弱いところなんだろう。 これからはITの時代だから、ITの学部や学科ができて、そこを優秀な人達が卒業する。 それで数が足りるから、文系を卒業したらIT系には就職できないということだ。 これからはITの時代ということは、少なくとも2000年代にはわかっていただろう。 IBMからマイクロソフトに覇権が移り、メインフレームからサーバー・クライアントの時代になった。 一般人もネットワークの威力がわかり、メールやWebの時代が来た頃だ。 それでも、文科省も、大学もIT系の学部を増やさなかった。 国立はまだしも、私学は手軽な文系の学部ばかり作り、文系の入試科目から数学が消え去った。 高校では情報という科目ができたが、まともにやっている学校は今でもほとんどない。 本当はバカみたいに増えた地理、歴史、政治、経済よりも、これからの人にはたった週に1時間でも情報の方が大事だろう。 それでも、ほとんど真面目にやっていない。 教える人がいないからだ。 科目を増やしても、教職課程は変えないし、採用試験も変えない。 本当なら、教職課程を取る人は最低限のリテラシーを教え、ネットの常識などは教えるべきなのだ。 それをしないから、せっかくタブレットを配っても、どう使っていいかわからない。 教育をやっている人が、教育についてわかっていない。 笑えない冗談だ。 大学人はみんな偉そうなことは言うが、IT人材が足りないのはわかっているのに、それを増やそうとは口が裂けても言わない。 自分たちの仕事がなくなるのが怖いからだ。 そういう壮大なバカの壁に守られて、未だに大学ではIT系の学部はなかなか増えない。 そういう状態だから、中国の留学生が、日本の新卒一括採用の制度のおかげで、文系でもIT系の会社に就職できる、という勘違いが起きる。 本当は、日本は先が読めないのと、既得権を守りたい人が多すぎて、こんなことになっている、と言いたかったが、あまりにもかっこ悪いので止めておいた。 情けない話だ。 |
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