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2023.04.08 Saturday
小学校の課題
大学生の就職筆記試験の指導をしてもう数年経つ。
一番ひっかかるのは、割合の問題と文章題。 割合の問題は、そもそも割合という概念がわかっていないことだ。 「概念」などというと、難しく聞こえるが、要は物事を比率で考えるということになる。 絶対値で考えるのではなく、相対的に考えるということで、これは日常生活でも大事なことだ。 もう一つは文章題。 計算はわかっても、その計算すべき式が立てられない。 文章を読んでも、式と繋がらないということ。 濃度などという概念が出てきたら、それだけでギブアップする。 そういう回路が頭の中に出来ていないのだと思う。 式と文章が繋がらないのだ。 それらを身につけるには、時間と練習が必要だ。 自分の経験からしか語れないが、ぼくらの小学校の頃は余計な科目はなく、たくさんのドリルをさせられた記憶がある。 そういう時間が足りないのだと思う。 それで思い出したのが、海外の義務教育。 多くの国で、落第の制度がある。 その年限で習得すべき能力が出来てないのなら、落第、留年ということだ。 日本とは逆だが、能力を身につけていないのに、どうして上の学年に上がることがいいことなのか?ということだ。 多くの国の教育者がそう考えている。 日本は真逆だ。 能力が身についていなくても、上の学年になる。 そして、上の学年の授業を受けさせる。 そうなると、積み上げの科目はどうしたってできない。 前の単元がわかっていることが前提だからだ。 そこから先の勉強は苦痛でしかなくなる。 そういうふうにして、算数嫌い、数学嫌いができる。 小学校も生徒の人数が減っているのだから、落第・留年を認めるべきだ。 それは決して教育の敗北ではないと思う。 |
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